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HR・人材

次年度の事業方針策定 まずは〝同じスタートライン〟に立つ – 艾陸企業管理咨詢(上海)(アルー)


[ 2013-09-29 ]

日系企業の多くが、来年度の事業方針を策定する時期を迎えている。ここ数年は、ナショナルスタッフの幹部(幹部候補)を事業方針策定チームに参画させる動きが盛んになっているが、組織開発の支援を行うアルー海外事業部中国企画室の廣森貴志氏は「多くが形だけで終わっている」と指摘する。同氏にその理由を詳しく聞いた。

―日系企業の来年度の事業方針策定に、ナショナルスタッフの次期幹部が参画しているというが。

bizchina1309_alue_1「中国国内市場が過熱する中で、ナショナルスタッフの幹部(以下NS幹部)のニーズが急激に高まっている。NS幹部に期待されていることは、大きく分けて2つある。1つは中国国内市場向けの事業の舵取り。もう1つはナショナルスタッフで構成される組織の牽引。そんな期待を寄せ、NS幹部を事業方針策定プロセスに参画させた上で、主体的な事業の舵取りと主体的な組織牽引に関わってもらおうとする企業が増えている。当社では、取り組み自体は非常に理にかなっているが、各社の事象を見ると、やり方にはさらなる工夫が必要だと考える」

―どのようなことが起きているのか?

「ある企業のケースでは、次年度の事業戦略を策定するため、日本人幹部とNS幹部混合の事業戦略策定チームを結成した。日本人幹部は『NS幹部に任せたい』という願いからファシリテーターに徹することを決め、まずはNS幹部の考えや意見を引き出すことにした。しかし、どれだけやってもNS幹部は現状否定に終始し、次年度に繋がる前向きな考えや意見が出てこず、有益な議論がされているようにも見えず、『会社の現状、未来の姿を本当に想像できているのか?』と疑問が沸いてきた。次第に事業戦略策定の期限が近づき、仕方なく自身がもともと考えていた次年度の事業戦略の素案を持ち出した。するとNS幹部は、『現場の実情が考慮されていない』『その戦略はうちの部門に大きな影響がある』などと〝ダメなポイント〞を指摘。話し合いの末、〝ダメなポイント〞の帳尻合わせをして修正した事業戦略を期限に間に合わせたという」

―なぜ、このようなことが起きるのか?

「日本人幹部は日頃から会社の未来や現状を中期、全社、顧客などの視点や角度から洞察しているが、NS幹部は短期、現場、部門などの視点から見ている。次年度の事業方針について、日本人幹部はおおよその考察ができているが、NS幹部はできていないのである。するとどうなるか。次年度の事業方針について議論をすれば、NS幹部からは次年度に繋がる意見・考えは期待できない。自ずと次年度に対して洞察している日本人幹部の考えに議論が引っ張られる。そこにNS幹部の考えが入り込む余地は多くはない。なぜ、このようなことが起きるのか。それは見ている世界が違う2つの民族が、違うスタートラインから議論を始めるからである。このスタートラインの違いこそが、根本的な原因だと当社では考えている。

加えて言うなら、NS幹部からすれば日本人幹部は、絶対的なリーダーである。NS幹部に不都合がない限り、日本人幹部が考える事業戦略に反対する理由はない。必要以上に反論すれば、査定に響く可能性もある。責任転嫁するのも容易だ。極めつけは、事業戦略が失敗に終わろうとも、日系企業独特の安定雇用では辞めさせられるようなリスクも伴わない。事業戦略策定プロセスに必要以上にコミットする理由はどこにもない」

―その結果、何が起こるのか?

「NS幹部によって、中国市場向けの事業戦略はでき上がるのか。もうお分かりだと思うが、事業戦略策定にコミットしていないのである。恐らくでき上がらないであろう。では、事業戦略に沿ってNS幹部は組織を牽引してくれるのか。策定された事業戦略は、〝ほぼ〞日本人幹部が考えたものであり、自分達の魂は入っていない。当事者意識は感じない。必要以上に責任を負う必要もない。部下に説明を求められても日本人幹部のせいにすればその場を逃れられる。NS幹部から見たら、〝仏作って魂入れず〞の事業戦略なのだ。これでは、組織は牽引できない」

―では、どのように取り組むといいのだろうか?

「まずは日本人幹部とNS幹部が、同じスタートラインに立つことが大事である。現状と目指したい姿に対する意識が統一されることである。『なんだ、すでにやっているよ』という声が聞こえてきそうだ。しかし、『頭による理解を統一する』のではない。頭で共有するだけなら、どこの企業も恐らくできているであろう。前述した事例でも、会社の現状や未来に対する、頭での理解統一はやっていた。やるべきことは、『意識を統一する』ことである。例えば、現状に対して同じ温度で危機意識を持つこと。目指したい姿に対して同じ感覚で心躍る意識を共有するという具合だ。これが実は非常に難しい」

―同じスタートラインに立てた時の効果は?

「同じスタートラインに立ってからNS幹部が事業方針策定に関わると、これが実に様々な波及効果を生む。当たり前のことだが、NS幹部が事業方針策定プロセスに対して、より主体的な意見、考え、アイデアを言うようになる。驚くのはその先である。主体的に関わった議論の末に策定された事業方針には、自身のWILLが宿る。魂が宿る。愛着や責任感が芽生える。実行意思が芽生える。その結果、現場への浸透に必死になってくれる。ここまで来ると、事業方針実行に向けて、ナショナルスタッフ主導で組織全体が重い腰を上げ始める」

―御社ならどう関わるのか?

「当社の場合、事業方針策定に取り掛かる前に、事業方針策定チームが、会社の現状と目指したい姿に対する意識を統一するためのセッションを開催する。成功のポイントは、いかに〝安全で平等な場〞を運営するかである。実はこれが最も難しい。NS幹部は、日本人幹部に絶対服従だからだ。そのために、当社では多様性を扱うための専門技能を持ったプロを派遣し、〝安全で平等な場〞の中で、特殊なツールを使いながら、メンバーそれぞれが認識している現状と描いている未来についての本音を引き出す。このプロセスを通して事業方針策定チームの意識が統一され、はじめて同じスタートラインに立てる」

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