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HR・人材

日系企業に今必要なのは、「計画の実行」ができる組織 – 艾陸企業管理咨詢(上海)(アルー)


[ 2013-10-21 ]
大橋徹(アルー海外事業部中国企画室リーダー) ●米国カリフォルニア州で5歳から23歳まで育ち、大学卒業後、日本ヒューレット・パッカードに入社。採用コンサルティング会社を経て、09年、アルーに入社。12年7月、社内公募に応じ、上海での組織開発コンサルティング事業立ち上げに従事。

大橋徹(アルー海外事業部中国企画室リーダー)●米国カリフォルニア州で5歳から23歳まで育ち、大学卒業後、日本ヒューレット・パッカードに入社。採用コンサルティング会社を経て、09年、アルーに入社。12年7月、社内公募に応じ、上海での組織開発コンサルティング事業立ち上げに従事。

世界の工場から世界の市場に変わった中国市場。各社では、この中国市場で勝ち残るために次年度の事業計画を策定している時期であろう。しかし、「多くの日系企業は『計画』は立派だが、『計画の実行』が徹底されて実行されていないのではないか?」と、アルー海外事業部中国企画室の大橋徹氏は指摘する。同氏に詳しく話を聞いた。

日系企業は「計画の実行」が徹底されて実行されていないとは。

「具体例を一つ、ご紹介しよう。その企業は、日系企業を中心とした事業展開を行ってきたが、もはや事業が頭打ちになっていたため、日系企業主体の事業から中資系・外資系主体の事業に変える事業方針を打ち立てた。

これに伴い、別会社だった販売会社と生産会社の統廃合を行い、顧客ニーズをすぐ反映できるよう、営業部門、マーケティング部門、研究開発部門、生産部門の連携力を高められる組織の再編成を行った。加えて、人事制度を再構築し、インセンティブ制度も作成した。そして、それらの会社の方針を、総経理が年初の講話や月次管理職の定例会で説明。さらには、各階層向けに研修を実施、その研修の冒頭には30分の時間を使い、会社の方針について各階層に説明する場も設けた。これだけやったので、会社としては『会社の方針は伝わっている』と自負していたようだ。

しかし、同社の現場スタッフ向けの研修中、喫煙所で休憩する中国人スタッフと話をしたところ、中国人スタッフが今後の会社の事業方針について、『聞き覚えがない』ということが発覚した。数カ月後、管理職の研修中にも、休憩中の喫煙所で同じく今後の事業展望について確認したところ、管理職レベルからさえも事業方針とは関連性のない事業課題の話が出てくるという状況だった。会社の方針は立派かもしれないが、管理職レベルですら興味がないのである。つまり、この組織は会社の方針に向かっているとは想像しにくい。会社の方針は絵に描いた餅でしかない。会社の方針という箱は作ったが、魂が入っていない、そんな状態なのである。この組織の計画の実行は、一体誰が行っているのか? 中途半端に終わっているのではないか?

一社の例ではあるが、この手の課題は日系企業でよく耳にする。しかし興味深いことに、非日系外資系企業ではあまり耳にしない。つまり、日系企業独特の課題である」

なぜ、このようなことが起きているのか。

「前述したような例の根本的な原因は、日本人が〝多様性民族を対象とした組織コミュニケーション〞を苦手としているからだと考えている。

理解を深めるために、少しコミュニケーションの構造の話をしよう。仮に、総経理がAというメッセージを営業部長に伝えたとする。しかし、営業部長にAが伝わったかどうかは、営業部長の解釈次第だ。営業部長がBと解釈していた場合は、総経理のメッセージは伝わっていないということになる。

この解釈を左右しているのが、個々が生まれてから養い続けている『物の見方』だ。同一性民族の日本人は、個人差はあるものの、『比較的近しい物の見方』をすると言われる。一方の多様性民族の中国人やアメリカ人は、各々が『独特な物の見方』をすると言われる。

つまり、日本人が日本人にAと伝えると、Aに近しい解釈を期待できるが、日本人が中国人にAと伝えると、Qにでも、Xにでも解釈されることが予想されるということだ。ナショナルスタッフを主体とした組織に置き換えて考えると、総経理がナショナルスタッフ100人にAと伝えたとしても、解釈は十人十色である。個々がバラバラの解釈をして、バラバラの方向に動く民族なのだ」

では、会社の方針の解釈をどう全社で合わせていけばよいか。

「まずすべきことは、そもそも会社の方針が全社に伝わっているのかを調査することだ。調査には本格的な組織診断、アンケート、インタビューなどがあるが、主要部門の各階層に対する簡易なインタビューから始めてみるとよいだろう。

ただし、インタビュー実施の際に重要なのは、『会社の誰とも利害関係がなく、かつ会社の方針を理解している中国人』が担当することだ。人事担当者が現場の要望を聞き回ることで調査している企業をよく見掛けるが、現場の社員は人事担当者に本音を話さない。耳障りでない、キレイごとを述べられ、それを聞いた人事部から『良い報告』が上がってくるのがオチだ。これは当社が過去に行ったインタビューと人事担当者が行ったインタビューの結果を見比べた結果から、自信を持って言える。

次は会社全体とどう解釈を合わせていくかである。ここで問題になるのは、会社の方針について、すべての従業員と解釈を合わせるためには莫大な時間と労力が掛かることだ。そこで、当社がお勧めするのは、ナショナルスタッフの幹部や管理職から数人を選抜し、会社の方針を組織全体に浸透させるプロジェクトを立ち上げることだ。重要な点は、組織全体への浸透を日本人管理職に担わせず、ナショナルスタッフに担ってもらうことだ。日本人では、組織全体に浸透させることはできないと考えた方が良い。その代わり、数人の選抜されたナショナルスタッフと会社の方針に対する解釈合わせを徹底的に行い、会社の方針の浸透という特命任務を担ってもらうのだ。加えて、その役割に対する高い当事者意識や動機形成、それらを浸透させるための能力開発、浸透を推進するための権限や仕組みの整備なども併せて必要だ」

貴社であれば、どのように関わるのか

「基本的には前述した通りだ。現状調査を実施した上で、プロジェクトメンバーの選定を行い、プロジェクトを開始する。ここでは詳しくはお話しできないが、プロジェクトの成否を左右する、重要なポイントがいくつもある。これらはプロジェクトメンバーにとって利害関係のない外部が介入することで克服できるため、当社がプロジェクトの要所、要所で支援する。効果として、ナショナルスタッフ主体の組織が形成されたり、ナショナルスタッフが自ら考え、自ら行動を起こしてくれるようになったりしている。また、このプロジェクトを通して、メンバーは重要な責務を担う過程で、次期幹部や管理職としての意識や自覚が形成されるのである。事業を成功に導くために、中途半端になっている組織の実行力を高めるために、次年度に向けてこのようなプロジェクトの立ち上げを検討されてはいかがだろうか」



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