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中国における渉外仲裁のメリットと展望(その1)

中日間の商事紛争が増加傾向にある。中国最大かつ最も権威のある仲裁機構・中国国際経済貿易仲裁委員会(CIETAC)によると、08年、同仲裁委員会に紛争処理が付託され、受理した事件数は1230件、審理済みの事件数は1097件だったが、2010年には受理した事件数は1352件、審理済みの事件数は1382件にも達した。

今回は紛争解決の方法として、渉外訴訟よりも渉外仲裁が適していることを、(1)裁判判決・決定の承認・執行の難しさ、(2)裁判の地方保護主義、(3)渉外仲裁の便利性、の3つの観点から述べたい。

(1)中日間には相互に裁判所の判決・決定を承認・執行する国際条約が存在せず、「東京地方裁判所を専属的に合意管轄裁判所とする」と約定しても中国の人民裁判所で執行できないため、実効性には欠ける。一方、両国はいずれも「外国仲裁判断の承認及び執行に関する条約」(ニューヨーク条約)に加盟しており、相互の仲裁判断を相手方の国において執行することができる。

(2)日系企業は中国の人民裁判所における裁判による紛争処理方法について、不公平感・不公正感を持ち、特に裁判に不信を持っている例が少なくない。一方、渉外訴訟と違って仲裁機関の管轄は非強制的、当事者間の合意に基いたものであり、また当事者の意思による仲裁人の選任、仲裁地の選定等であり、当事者にとって比較的に受け入れやすいだけでなく紛争を友好的に解決できる効果もある。結果的に、中国の仲裁判断は中立的な立場からの判断であり、その内容も公平・公正と評価されることが多い。

(3)渉外訴訟に備えるために、法律事務所が当事者に提示する必要書類として、少なくとも「契約書」「委任状」「履歴事項全部証明書」「法定代表者証明書」および関連証拠がある。それらは国外で形成される場合にはすべて、公証役場による公証および外交認証手続などによらなければならず、場合によっては起訴書にある法定代表者による署名まで公証手続を踏まえないと裁判所が受付けないことがある。さらにそれらの中文訳本を含めてすべて裁判所が指定する期限にて提供しなければならなく、大変面倒である。これが二審、再審までもあり得ると考え、即時諦めた当事者もいる。それ対し、中国の仲裁制度では第一審終審であり、仲裁機関の裁決は最終的なので、それだけでも簡潔で便利だ。

またCIETACの仲裁規則によると、「仲裁廷は当事者が証拠を提出する期限を定めることができ、それを超える場合、仲裁廷は受付けないことができる」「当事者が期限満期となる前に挙証期限の延長を申請することができ、延長するかは仲裁廷によって決める」等、随所融通が効くことを示している。(つづく)

上海市錦天城法律事務所

裘 索氏
法学博士・シニアパートナー弁護士 ・
日本国外国法事務弁護士・中国国際
経済貿易仲裁委員会仲裁員

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