Webでの情報発信は、微信(WeChat)での電子雑誌に移行しました。QRコードから
公式アカウントに
アクセスしてご覧ください。

中国ビジネス情報誌 Whenever BizCHINAから、お役立ち現地情報を発信中

※掲載内容は全て、誌面掲載時の情報です。

about_us

中国における渉外仲裁のメリットと展望(その2)

紛争解決の方法として、渉外訴訟よりも渉外仲裁の方が適しているという観点を前回、述べた。その適性差は、現状を踏まえても、将来を見通しても、縮まらないのではないかとも考えている。今回は渉外仲裁のメリットを、(1)訴訟と仲裁の調停における原点、(2)訴訟における紛争金額との差、(3)仲裁における非公開原則の活用、の3つの観点から述べたい。

(1)訴訟と仲裁の調停における原点

中国には独立した調停システムが整っておらず、「調停(センター)を選ぶ」という選択肢がそもそも存在しない。このため当事者が調停を進める意思があるかどうかの確認は、訴訟または仲裁の現場において、当事者が選んだ裁判所または仲裁機構が行うことになる。中国の地方裁判所でも調停を積極的に進めてはいるが、その中立性や当事者のために行っているものかどうかについては、やや懸念が残る。

一方、仲裁機構は裁判所と比較した場合、柔軟なスタンスを持っているのが特長といえる。当事者の状況をよく把握し、当事者のどちらか一方に偏ることなく、「調停を求める」よりも「調停を望むために説得しに行く」という考え方が根幹にあるためである。

(2)訴訟における紛争金額との差

中国の仲裁法が定める仲裁範囲では、婚姻、監護、扶養、継承および行政争議を解決することはできない。しかし、利害関係が比較的大きい民事および商事紛争、また企業集団の重大な利益に関わる経済貿易紛争については、裁判よりも仲裁の方が相応しいケースもあるとの感触を得ている。

中国の裁判所には地方、中等、高等、最高裁判所があり、各地の裁判所の受理基準には違いがある。上海の場合、民商事紛争が多発していることから、最高裁判所の指針により、中等裁判所は一般的に人民元2000万元(2億5000万円超)以上の多国間紛争しか受け付けないとしている。地方裁判所はこれほど高い金額設定ではないが、その独立性や公正性は問われるところである。

当事者は訴訟を選択すれば、紛争金額にまで悩まされることになり、まさに踏んだり蹴ったりといったところであろう。

(3)仲裁における非公開原則の活用

仲裁の「非公開原則」は、当事者にとって大きな魅力のひとつである。▽中国仲裁法および関連法令による秘密保持規定、▽当事者が選んだ仲裁機構とその現行規則による秘密保持規定の相乗効果を期待できる。さらに仲裁地と仲裁機構の選択は当事者が協議することもあり、最初から第三者の出席は許さない等と定めてもよい。

一方、裁判は「公開法廷」が原則である。一定的の条件付きで「非公開原則」を適用することもできるが、限度があるということは言うまでもない。(つづく)

 

上海市錦天城法律事務所

裘 索氏
法学博士・シニアパートナー弁護士 ・
日本国外国法事務弁護士・中国国際
経済貿易仲裁委員会仲裁員

錦天城法律事務所
【住所】上海市浦東新区花園石橋路33号花旗集団大厦14 階
【tel】021-6105-9159(日本語)
【url】http://www.allbrightlaw.com
【mail】nippon@allbrightlaw.com

人民元
 その他、為替レートは、こちらより。
やまびこ上海 ウェネバー人材 ウェネバートラベル
ウェネバーオンライン らくらくプレス