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中国現地法人の内部統制に関する諸論点

日本の上場企業では、08年4月に「財務報告に係る内部統制制度」が導入され、連結ベースで財務報告の信頼性を確保するため、会社自らが内部統制の有効性を評価し、その結果を投資者等に報告することが義務づけられました。連結グループ全体に占める重要性にもよりますが、中国の現地法人も、社内の不正や処理間違いを未然に防止あるいは早期に発見するための手続の整備が求められます。

日本では「財務報告に係る内部統制制度」は「法律で定められたから仕方なく対応している」という会社もありますが、中国現地法人に対しては少し趣が異なり、基本的な統制手続の整備・運用状況について積極的に検証しようとする親会社が多いように感じられます。

つまり、内部統制制度の本来の目的である、業務の有効性および効率性の確保、財務報告の信頼性の確保、法令の順守、資産の保全などの目的を積極的に果たすため、親会社が自発的に内部統制の検証手続きを行おうとするわけです。

社内規程の整備

例えば、内部統制の評価は社内規程の整備状況の確認から始まります。ここでいう社内規程とは、直接的あるいは間接的に財務報告に関係する社内規程を指します。日本では、たとえ中小企業であっても上場企業の子会社である以上、通常は一定の社内規程が存在します。しかし、中国の現地法人では規程の整備すら十分に行われていないケースがあります。整備すべき規程類としては、以下のようなものが挙げられます。

これらの規程類を整備した上で、実際にその規程が運用されているかどうかの検証作業が重要となります。例えば、倉庫管理規程が存在するにもかかわらず、実際の倉庫担当者がその規程の存在すら認識しておらず、担当者独自の方法で日々の業務を行っているケースなどが見受けられます。

業務プロセス統制

内部統制制度では、企業の活動を販売取引や仕入取引などのように、いくつかの取引サイクルに区分します。そして、区分された各取引をさらに業務処理プロセス毎に細分化し、詳細に規程の整備状況やその運用状況の確認を行います。

例えば販売サイクルを例に取ってみますと、販売活動を「販売計画作成」「得意先マスターの管理」「契約書の締結」「出荷業務」「請求業務」「回収業務」「会計処理」などの業務処理プロセスに分け、それぞれについて想定される不正や処理間違いのリスクを検討します。

例えば、「年次販売計画と月次販売計画がまったくリンクしていない」「契約書をファックスで受け取っただけで原本を受け取っていない」「契約書に法定代表者によるサインを得ていない」などといった問題がよく見受けられます。また、回収代金の横領などの不正は最終的には会計数値のどこかに表れてくるため、回収プロセスや出荷プロセスに関する会計処理の流れには注意する必要があります。

また在庫管理について、中国の現地法人では「システム残高と会計上の残高が合わない」「在庫の受け払い報告が遅いあるいは不正確」「実地棚卸が期末日に行われていない」「棚卸差異が正しく報告されていない」などの問題がよく見受けられます。会社の不正の行き着く先は、その多くが「債権の貸倒処理」か「在庫の紛失」のいずれかです。

よって、在庫の数量管理は不正を未然に防止するために重要な手続になります。日々の在庫受け払いを正確に行うとともに、年度末には網羅的に実地棚卸を行うことが重要です。会社の財務担当者に「期末に実地棚卸をしていますか?」と聞くと「しています」という回答を得ることが多いです。しかし、実際には倉庫全体の一部だけ実施している、あるいは12月31日ではなく春節休み前に実施しているケースがあります。

在庫管理を倉庫担当者に任せきりにせず、管理部署が実地棚卸に立ち会い、工場のレイアウト表を作成し、各ブロックの担当者、実施時間、差異がある場合の報告方法を指示し、棚札やシールを利用して実地棚卸の網羅性を確保するなどの対策が考えられます。


中国現地法人の連結グループ全体における重要性が高まりつつある昨今、中国現地法人の内部統制の確立は今後ますます重要になってきます。

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