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中国会計基準詳解② 棚卸資産

本稿では中国会計基準を詳解し、勘定科目の内容や新旧会計基準の違い、内部統制上の注意点などをご紹介しています。今回は棚卸資産について検討します。

棚卸資産の範囲

棚卸資産とは「企業が通常の日常活動において、販売を目的として保有する完成品または商品、製造過程にある仕掛品、製造過程または役務の提供過程にあって消費される材料および部材等」(新会計準則3条)を言います。新会計準則によれば、企業が予定原価を採用して原料等を購入する場合には、「材料仕入」勘定の借方と「買掛金」等の科目の貸方にそれぞれ予定原価を計上します。実際に材料を受領した段階で予定原価を「原材料」勘定の借方と「材料仕入」勘定の貸方にそれぞれ計上し、予定原価と実際原価に差異がある場合には「材料原価差異」勘定に当該差額を計上することになります。予定原価を使用しない場合には、「材料仕入」勘定の代わりに「未着品」勘定を使用することになります。

取得原価の算定

棚卸資産の取得原価は、購入代金のほか、購入に付随するその他の費用(運送費や荷役費、保険料、包装費、倉庫費、運送途中の合理的な減耗、入庫前の選別整理費用、税金など)が含まれます。この点、商業企業については、旧会計制度と新会計準則では取得原価の範囲に差がありますので注意が必要です。旧会計制度では、仕入れに付随する運送費や荷役費、保険費、梱包費、保管費、減耗損失、選別整理費用などについては、取得原価には計上せず、直接費用計上するという取り扱いになっていましたが、新会計準則ではこれらの付随費用についても棚卸資産の取得原価に含まれます。

昨今、旧会計制度から新会計準則に切り替えを行っている企業も多いですが、会計基準の切り替えに伴い、棚卸資産の取得原価の範囲も異なってきますので注意が必要です。

払出価格の算定

棚卸資産の払出時の払出単価は、先入先出法、平均法、個別法、後入先出法によって算定されますが、このうち、後入先出法は新会計準則では認められていませんので注意が必要です。

期末評価

棚卸資産の期末評価は、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い方により測定されます。これは表現の違いこそあれ、新旧会計基準で変わるものではありません。取得原価と正味実現可能価格の差額は、棚卸資産評価引当金として計上されることになります。正味実現価額の客観的な算定は困難ですが、実務上は各社の財務規程に従い、在庫年齢に応じて一定率の引当金を計上するケースが多いです。会計監査上も、会社の財務規程に従った処理であれば特に問題にはなりません。

なお、この棚卸資産評価引当金は、企業所得税法上は損金として計上できません。企業所得税法上、損金算入が認められる引当金は、金融機関の貸倒引当金や保険会社のリスク準備金など、一部の引当金に限定されているからです。

棚卸差損/廃棄損の取り扱い

棚卸差損や棄損等に伴う廃棄損は、会社の財務規程に従った処理であれば、あるいは董事会決議などを得ていれば、会計上の損失として処理することができます。しかし、企業所得税法上の損金として認められるためには損失の合理性を証明するその他の証明書類を整える必要があります。棚卸差損の場合には、棚卸表、棚卸損失に関する状況説明書、入庫時の関係資料などを整備して、棚卸損失の認定を受ける必要があります。廃棄損に至っては、金額的影響度にもよりますが、外部の資産評価機関による鑑定証明書が必要になります。

また、増値税における取り扱いにも注意が必要です。増値税の規定によれば「正常損失」以外の損失については仕入控除が認められません。例えば、運送途中または在庫保有に伴う合理的な損耗について、税務機関から合理的損耗である旨の認証を受けた場合には、仕入控除することができますが、非正常損失として認定された場合には、仕入税額控除ができません。仕入税額控除ができないと損耗在庫に相当する増値税額を企業が最終負担することになります。なお、正常か非正常かの判断は「管理上の不備によるかどうか」という点が一つのポイントなります。

内部統制上の注意点

まず、棚卸資産の受入時の管理が重要になります。検収時の発注数量・品目と納品数量・品目の一致確認が必要です。この際、検収担当部署において、検収・入庫記録を適時に記録しているかどうか、検収担当部署から経理担当者への入庫報告が適時に行われているかどうかという点が重要になります。発生主義に基づく会計処理を行うためには、納品事実に基づく仕入計上が必要です。この際、発票未入手の場合でも、「暂估」(概算・見積)として仕入計上することが重要です。

出庫については、担当者が勝手に材料や製品を持ち出さないよう、原材料台帳や製品台帳を整えることが重要です。

入庫と出庫をしっかりと管理した上で、可能であれば毎月、少なくとも四半期に1回は実地棚卸を行うことが望ましいです。その際には、在庫保管場所を工場内見取り図などに記載し、カウント漏れがないかどうか、注意する必要があります。また、カウントを工場や在庫管理担当者に一任してしまっては統制上、意味がありません。財務部等の管理部門の人員を同席させることが必要です。

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