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中国会計基準詳解③有形固定資産

本稿では中国会計基準を詳解し、勘定科目の内容や新旧会計基準の違い、内部統制 上の注意点などをご紹介しています。今回は 有形固定資産について検討します。 建物や構築物、機器、機械、運送用車 両などの生産・経営に関する有形固定資産 については、会計・税務上多くの論点があり ます。以下では、有形固定資産の範囲、取 得原価の算定方法、計上基準、減価償却、 関係税金の取り扱いなどについて詳解します。

有形固定資産の範囲・取得原価・計上基準

有形固定資産とは、「商品の生産、役務 の提供、賃貸または経営管理のために保有するものであり、耐用年数が1会計年度を超 えるもの」を言います(企業会計準則4号)。 具体的には建物や構築物、機器、機械、車 両などを指します。年度末の監査報告書には 「工事物資」勘定や「固定資産整理」勘定 等が表記されることがあります。「工事物資」 勘定は企業が建設中の工事のために準備し た各種物資を計上する勘定科目であり、「固 定資産整理」勘定は固定資産の処分決定後、処分未完了の有形固定資産を計上する 科目です。いずれも日本ではなじみの薄いものと言えます。

有形固定資産を取得した場合には、取得原価により帳簿記入することになります。この取得原価には、実際に取得に要した購入代 価のほか、関税や運送費、保険などの関連 費用と有形固定資産を使用可能な状態にす るまでに発生した費用も含まれます。従って、 機械の操作技術をマスターするための外部 専門人員に支払う研修費用なども固定資産 の取得原価に含めることになります。

固定資産を購入するに際しては、「いくら以上の支出を資産計上するか」という点が問題に なります。旧会計制度では「2000元以上」の 資産を固定資産とする旨の規定が存在してい ました。よって、今でもこの規定に従って経理 処理している会社は多くあります。

しかしながら、新会計準則では「2000元以上」という金額基準が削除され、各企業が自由に計上基準を決定できるようになりました。自由に決定することができるからと言って、 固定資産の計上基準を年度ごとにみだりに 変更することは好ましくありません。財務担当者が各期の利益を睨みながら、固定資産の計上基準を判断してしまうおそれがあるからです。社内の経理規程で一定の金額基準を規範化し、その規定に従って処理することが 望ましいです。

減価償却

有形固定資産は取得後、使用期間にわたって計画的規則的に償却します。その際には、耐用年数、残存価格および減価償却方法を定めなければなりません。これらの項目は、会計上は各社が独自に決定することがで きますが、実務上は税務規定に従うことになります。中国税法における耐用年数は大変シンプルであり、下図のように大分類による区分しかありません。

各企業の設備が一律10年の償却年数で 償却されているのは、機械の種類ごとの詳細な耐用年数が設定されていないことが原因 です。なお、日本では例えば「電気機械器 具製造業用設備」なら7年、「電子部品・デ バイスまたは電子回路製造業用設備」なら5 ―8年というように詳細に分類されています。

残存価格とは、耐用年数到来時点に想定 される処分価格ですが、旧税法では5%ないし10%という金額基準がありましたが、現 行税法ではそのような金額基準がありません。 よって、各社とも所轄税務局に残存価格の設定について確認することが好ましいです。

償却方法については、日本では定額法の 他、定率法や生産高比例法等の各方法を採 用することができますが、中国税法では通常、 定額法(年限平均法)しか認められていません。よって、日本で比較的広く使われている定 率法は中国では認められないことになります。 一部の企業では、中国現地法人の決算 書は中国税務規定に従い定額法により償却 しつつも、日本の親会社の連結決算との関係では減価償却方法を統一するために、中国決算書を組み替えるケースがあります。

増値税に関する取り扱い

09年以前には、固定資産取得に伴う増値税は、仕入税額控除できませんでしたが、 09年1月以降は仕入税額控除することがで きます。よって、固定資産購入に伴い、各企 業は実質的に増値税を負担しないことになり ます。もっとも、仕入税額控除をするためには、 増値税専用発票の入手が必要です。

また、有形固定資産のうち、増値税の課 税対象となるのは機器、機械、運搬具、工 具などであり、建物は増値税の課税対象で はありません。

内部統制上の注意

固定資産に関しては、取得後、定期的に 現物実査を行うことが必要です。現物確認の実施を周知徹底することにより、備品の盗難や紛失を事前に予防・発見するとともに、 固定資産台帳の消込み漏れを発見すること ができます。現物実査を効率的に行うために は、固定資産台帳に記載されている固定資 産番号と同じ番号を記載したラベルを、各固 定資産に添付し、外部監査人と一緒に行うことが望ましいです。 その他、取得時の発票の継続的保管、固定資産台帳と会計帳簿との一致の確認、工場間振替による保管場所の変更などに注意が必要です。

 

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