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中国M&A・組織再編に関する諸論点

致同会計士事務所では、3月21日に「中国M&A・組織再編に関する諸論点」と題してセミナーを開催いたしました。本稿では、そのセミナー内容についてご紹介いたします。

中国M&Aに関係する税金項目

中国において、合併・持分譲渡などを実施した場合には、企業所得税、営業税、増値税、土地増値税、契税等の税目について検討する必要があります。企業所得税は、納税対象者が中国居住者企業であれば企業利益に対して25%、非居住者企業であれば持分売却益に対して10%の税金がかかります。営業税や増値税等の流通税はM&Aに際して会社の資産、債権債務、労働力等を全体として譲渡する場合には課税されませんが、個々の資産を譲渡する場合には課税されることになります。全体としての譲渡か個々の資産の譲渡かの判断は主観的な要素も加味されますので、注意が必要です。なお、営業税は無形資産や建物の譲渡などについて課税されます。

M&Aにおいては、企業所得税が最も重要な課税項目になるわけですが、企業所得税の課税関係を検討するに際しては、「一般税務処理」と「特殊税務処理」の区分に注意しなければなりません。「一般税務処理」が適用される場合、持分売却益に対してただちに課税されるわけですが、「特殊税務処理」が適用された場合、課税関係が将来に繰り延べられることになります。

「一般税務処理」と「特殊税務処理」

特殊税務処理を適用するためには、5つの基本要件を備えなければなりません。具体的には、①合理的な事業目的、②再編対象となる資産または持分の比率が75%以上、③再編資産による実質的な経営活動を継続すること、④支払形式のうち、持分による支払いが85%以上を占めること、⑤再編後の持分を12カ月継続して保有し続けること、の5要件です。同じような税制度は日本にもありますが、④の支払対価のうち、15%までは現金が含まれてもよい点が日本の税制と異なり、⑤の継続保有要件について、事後的な判断が行われるおそれがある点において、日本の税制と実務上の運用に差異があります。

従いまして、中国でM&Aあるいは組織再編を行う際には、上記5要件の具備を確認するとともに実務上の運用について注意しなければなりません。

クロスボーダー組織再編を行なう際の注意点

日本の親会社が中国現地法人の持分をグループ内の企業に譲渡する場合、その譲渡益に対して、中国において課税されます。たとえ日本国内だけで行われた持分譲渡であったとしても、中国現地法人に関する持分の譲渡である以上、中国税制上、「中国国内源泉所得」と取り扱われるためです。この場合の税率は持分譲渡益に対して10%となります。

一方で、日本の税制においても、当該取引に対しては課税されます。日本の税制上は「全世界所得」に対して課税するということになっているからです。この場合の税率は会社の利益全体に対して35%程度になります。このように、一つの取り引きに日本と中国で2重に課税されるわけですが、平成23年の日本税制改正および日中租税条約により、中国で支払った税金は、日本で支払うべき税金から控除することが可能です。この制度を「外国税額控除制度」と言います。

日本では、グループ内の持分譲渡や合併等に際して、「適格組織再編税制」の適用を受けることがあります。上述の中国における「特殊税務処理」に相当するものです。日本で適格組織再編税制の適用を受けた結果、日本では課税が繰り延べられたとしても、中国で課税が繰り延べられるわけではありません。下記【事例①】をご覧ください。

日本においては適格合併として課税が繰り延べられたとしても、中国のC社としては、投資者がB社からA社に変わっています。このような場合、中国の「特殊税務処理」は適用できません。よって、中国ではB社からA社への合併に伴う持分移転に対して課税されることになります。このように、日本では課税されないにもかかわらず、中国だけで課税されるというケースもあるので、注意が必要です。

 

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