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最近の日系企業の諸論点

今回は会計税務の面から、最近の日系企業を取り巻く、いくつかの論点について検討します。

【物流代理業者の増値税問題】

2013年8月から物流代理業者の課税関係が変わりました。従来、物流代理業者は荷主から受け取った代金と船会社等に支払う代金の差額について納税すればよかったのですが、今回の税制改正により、その差額支払が難しくなり、荷主から受け取った代金の全額を対象として増値税を納税しなければならなくなりました。物流代理業者は税金の増額部分について自社では吸収できず、各荷主に費用負担を求めているようです。

この問題は物流代理業者が船会社等から増値税発票を入手すれば解決するのですが、実務上、日系の物流代理業者は日本などの海外の船会社を利用することが多く、仕入発票を入手することが困難です。中国から海外に製品を輸出する日系企業は多くありますが、今回の税制改正は多くの日系企業に影響を及ぼすものと言えます。

【日本親会社負担の社会保険料】

中国在住外国人の社会保険料の議論は長らく続いていますが、今回ご紹介するのは日本の社会保険料の話です。日本の社会保険料は個人負担額と会社負担額があり、ほぼ半分ずつ負担しています。この日本で会社が負担した社会保険料について中国の個人所得税上、課税所得と見なされるかどうかという論点があります。従来、日本の社会保険料については中国で給与認定しないケースが多かったですが、最近は徐々に給与認定される傾向があります。給与認定される理由は「法律上、控除項目として列挙されていない」ためです。例えば、中国において中国現地法人が負担する社会保険料は控除項目として列挙されています。これに対して海外での社会保険料は控除項目として扱われていないので給与として認定するというわけです。

【海外送金の規制緩和】

技術支援など役務提供費用を日本に送金する場合、5万米ドル以下の支払であれば納税証明が必要なくなり、届出制になりました。送金に際して技術登記登録も必要なくなり、早期に送金できるようになります。もっとも、各納税義務がなくなったわけではなく、技術登記登録義務も存続していますから、送金しやすくなったからと言って課税関係が変わるわけではありません。

【中国からの撤退戦略】

日本の家電業界の不振に引きずられる形で各サプライヤー企業では苦戦が続いており、中国市場からの撤退を検討する企業が増えています。チャイナプラスワンとして中国以外の国への進出資金に充てるべく、中国での投下資本の回収を狙った撤退戦略が活発化し、当社にも多くの相談が寄せられています。

撤退戦略といっても完全撤退ではなく、製造拠点の統合や、販社と製造拠点の合併など複数の子会社を一つにまとめるというケースがほとんどです。この際、特殊税務処理の検討、清算監査、資産評価、清算行政手続き等を行わなければならず、1年以上の長期にわたる作業が必要になります。販社と製造拠点の合併の場合には、清算手続きを開始する前に分公司を設立し、事業は分公司で行いながら、消滅対象会社について清算手続きを進めることになります。1年以上の時間を要する原因として①税金問題、②従業員の処遇の問題が挙げられます。

①については、中国税務当局にとってみれば、会社の撤退は納税者の減少になるわけですから喜ばしいことではありません。最後に税務調査に入って、しかるべき税金を徴収しようという発想は理解できます。その税務調査と税務登記抹消に時間がかかるわけです。また、撤退に際しては土地使用権や建物の売却が必要ですが、この売却価格に対しても第三者機関による評価が必要になります。

②は、従業員に対する退職金(経済補償金)の支払問題です。会社都合で従業員に退職してもらう場合には退職金の支払いが必要です。これは支払義務であり、また最低金額についても法律で決まっています。問題は「実務上、退職金をいくらに抑えるか」です。法律の規定どおりの支払で済めば良いですが、法定額の2倍でも異常な金額ではありません。「安定」を求める中国行政当局としても、退職金問題を原因としてストライキなどが発生することを回避したいという思惑があり、結果として行政当局から退職金の支払いを促されるというケースもあります。

清算に関わる税金や従業員に対する経済補償金の支払いが終了した後、日本への清算配当の送金という流れになります。中国の不動産は10年前から値上がりしていますから撤退に際して土地使用権を売却すればそれなりのキャッシュが入りますが、納税と経済補償金の支払いを考えると、日本に送金する清算配当がどれほど残るかは不透明です。

このように中国現地法人の一部撤退には多くの困難が伴いますが、多くの日系企業が中国ビジネスを再考する時期に来ているようです。グループの統合・再編に際して税務問題は避けては通れない論点となります。当社ではグループの統合・再編時の会計・税務アドバイスをご提供いたしております。

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