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中国法人の組織再編行為

今回は中国法人によく見られる組織再編行為について事例を見ながら検討します。

image1071【第三者割当増資】

中国法人A社は、それぞれ日本法人B社およびその関係会社である日本法人C社が共同して設立した合弁会社です。このたび、A社は事業拡大のためB社およびC社に400の増資要請をしましたが、C社が増資資金を調達できず、B社が単独で増資することになりました。なお、増資決議直前におけるA社資本金の額面は400、時価は1200となっています。(図1と表1参照)

〈会計・税務処理〉

(1)日本法人B社について

B社は、取得するA社の株式を取得時の時価をもって計上しなければなりません(法令119の1②)。時価より低い価額で取得する場合、時価と取得価額の差額が受贈益として日本の法人税の課税対象とされます。

image1072(2)中国法人A社について

中国では、外国投資者に中国法人の株式を移転することにより、その法人が外資系企業となる場合には、資産評価機関が評価した合理的な価額に基づき取引をし、評価額より低い価額(時価の90%以下)で株式を移転してはなりません(商務部令(2009)6号第14条)。外国法人による第三者割当増資については資産評価機関の評価は強制ではありませんが、合理的な価額で新株を発行しなければならないと解釈されます。A社が時価により新株を発行した場合の持株割合は表2の通り算出されます。

また会計上、B社が払い込む400は全額A社の株主資本に組み入れられます。その際、払込金額を資本金の額面と株式時価の比率で乗じた金額を資本金の増加額とし、資本金増加額を上回る払込金額は資本準備金として計上しなければなりません(企業会計準則応用指南)。400のうち133.33(=払込金額400×資本金額面400/株式時価1200)を資本金に組み入れ、残りの266.67は資本準備金として計上されます。なお、中国の法人(有限公司)が増資をする際は株主総会を開催し、議決権のある発行済み株式総数の3分の2以上の株主による同意が必要で、時価より著しく低い価額による新株発行(有利発行)は、株主総会で否決される可能性が高いです。

【吸収分割スキーム】

日本親会社が、子会社A社の中国事業を日本親会社に吸収分割することにより、A社の中国事業部所管の中国合弁会社B社を日本親会社の子会社にしました。(図2参照)

〈課税関係〉

日本親会社とA社の吸収分割により、中国B社株式の所有権はA社から日本親会社に移転しました。B社株式の移転にかかる日本および中国の課税関係は次の通りです。

(1)日本において

分割に伴う資産・負債は時価により移転されたものとされ、承継された資産・負債に係る収益または損失を認識しなければなりません。ただし、日本の適格分割の条件を満たす場合は、移転資産の簿価による引き継ぎにより課税関係は生じません。

image1073(2)中国において

中国法では、株式の譲渡所得についてはその出資法人の所在地が中国にある限りすべて中国国内源泉所得に該当するため、A社のB社株式に係る譲渡所得についてA社は中国で10%に相当する企業所得税を申告・納付しなければなりません。ただし、本件株式譲渡が中国の特殊性税務処理(適格組織再編)の要件(表3)を満たしていれば、当該譲渡益課税が繰り延べられることになります(財税[2009]59号)。

中国B社は日本法人A社および中国株主の合弁会社であり、中国の会社法および中国B社の定款の(株式の譲渡制限)規定により、A社はB社株式を第三者(日本親会社)に譲渡する場合は、中国株主の事前同意を得る必要があります。また、日本親会社が簿価によりB社株式を引き継ぐ場合、中国株主が優先購買権を行使するリスクがあるため、注意が必要です。

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