Webでの情報発信は、微信(WeChat)での電子雑誌に移行しました。QRコードから
公式アカウントに
アクセスしてご覧ください。

中国ビジネス情報誌 Whenever BizCHINAから、お役立ち現地情報を発信中

※掲載内容は全て、誌面掲載時の情報です。

about_us

現地役員のストックオプション課税

近年、中国子会社の取締役に対して日本親会社のストックオプションを付与する事例が増えています。中国子会社の重要性が増す中、有力な中国人管理職のモチベーションを向上させることが目的として考えられます。 また最近では、財政収入の安定的な確保を目的として、各地税務局による税務調査を重点施策としているため、各企業はこれまでよりも大きな税務調査リスクにさらされています。今回は、中国子会社の役員が適格ストックオプションを行使した場合の課税関係と、中国における税務調査の概要を紹介します。

【ストックオプションの課税関係ついて】

<前提>

日本において勤務経験のない中国の居住者(甲)が日本法人(A社)のストックオプションを行使し、その後取得したA社株式を市場において譲渡しました。甲の行使価額、権利行使時のA社株式の時価および譲渡時のA社株式の時価はそれぞれ100、150、180であったと仮定します。A社のストックオプションは日本の税制上の適格要件を満たしています。

<権利行使時の課税関係>

①日本において
適格ストックオプションの場合、甲が得た付与から権利行使までの経済的利益については日本に課税権が認められていないため(日中租税条約第15条第1項)、個人の所得税は課税されません(措法29の2)。

②中国において
行使時のA社株式の時価と行使価額の差額は、甲の給与所得として3~45%の所得税が課税されます(財税[2005]35号)。ただし、当該ストックオプションの行使が一定の要件を満たしていれば、甲の給与所得に対して優遇税率の20%が適用されます(国税函[2009]461号)。

<譲渡時の課税関係>

①日本において
甲が適格ストックオプションの行使により取得した株式を譲渡した場合、権利行使後に生じた株式譲渡益部分については、株式等の譲渡に関わる日本国内源泉所得として、他の所得と分離して申告しなければなりません(措法37の12、所令291①三、措令19の3⑭、日中租税条約第13条)。よって、譲渡価額と行使価額の差額に15%に相当する所得税を申告・納付しなければなりません。

②中国において
甲はA社株式を譲渡した場合、その譲渡価額と取得価額の差額を資産譲渡所得として、他の所得と分離して、20%に相当する所得税を申告・納付しなければなりません(財税[2005]35号)。その際、日本で納付した所得税について、外国税額控除を申請します。
中国の所得税は、所得の種類によってそれぞれ分離課税となっているため、納税者は毎月の各種所得にかかる税金を申告し、それに対応する外国税金の控除を受けます。日本の確定申告制度のように所得の総合計算を行わないため、譲渡所得にかかる外国税金を給与所得から控除することができません。
なお、中国の居住者は外国法人のストックオプションを行使する際には、所轄の外貨管理局にて事前登記をし、専用口座を開設する必要があります。また、行使および譲渡による金銭の収受も当該専用口座を介さなければなりません。

Bizpresso_20140219_grant1

【税務調査の概要】

調査対象者は次の方法で選定されます。

1)調査対象システムによる粗選定
納税義務者税負担率などの納税指標値が組み込まれた調査対象システムから調査対象を粗選定します。

2)調査指標に基づく絞り込み
税務局が当年度末に立てた翌年度調査指標と統計学的分析に基づいて、一定の調査対象者が絞り込まれます。

3)告発・指示・情報交換による選定
内部告発を含めた口頭または書面による告発、上級税務局からの依頼、他地域または他国との情報交換からも調査対象が選定されます。

Bizpresso_20140219_grant2

調査によって、税収徴収管理法規に関する違法行為が明らかとなり、適切な税務処理への是正措置が認定された場合には、追徴税金、納付期限、延滞税の算定根拠と納付期限などが定められた「税務処理決定書」が交付され、事案によっては、1000元未満の罰金が課されることもあります。

さらに、事案によっては、適切な税務処理への是正措置にとどまらず、税務行政処罰の執行が認定される場合もあり、この場合には、処罰履行方式、期限などが定められた「税務行政処罰決定書」が交付され、1000元未満または10000元以上の罰金が課されることになります。

Bizpresso_20140219_grant3

人民元
 その他、為替レートは、こちらより。
やまびこ上海 ウェネバー人材 ウェネバートラベル
ウェネバーオンライン らくらくプレス