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国際物流に関する増値税改革の影響

【はじめに】
中国の流通税には増値税と営業税があります。増値税は付加価値税で、営業税は売上税であり、両者の課税対象は異なりますが、1つの取り引きに2つの流通税が課されるということはありません。流通税は2011年以降、大改革が行われています。売上税としての営業税を廃止し、増値税に一本化しようとする動きです。従来モノの売買は増値税、サービスの授受は営業税という区分がありましたが、これらを増値税に一本化しようとする訳です。

【国際物流代理業者の混乱】
増値税改革は11年以降、上海、北京と順次改正法が行われ、13年8月以降は全国的に増値税改革法案が適用されています。しかしながら具体的な実施細則が決まらないまま制度を変更してしまった結果、実務の混乱をきたしておりました。現在、最も実務を混乱させているのが13年12月12日に公布され、14年1月1日から施行されている国税局2013年106号通達文書の取り扱いです。

物流代理業者の流通税は、もともとは売上高に対して5%の営業税が課税されていました。しかしその際、「物流代理業者が船会社に支払った代金相当額は物流代理業者の売上高から控除できる」という規定があったため、実際には売上高から船会社に支払った代金を控除した差額に付いてのみ、5%の営業税が課されていました。たとえば、荷主から200元を受領し、船会社に100元を支払った場合には200-100の100に対して5%(5元)の営業税が課されていた訳です。この5元の営業税は内税として物流代理業者が負担していました。しかし、営業税から増値税に税目が変更された後の13年8月に、「船会社に支払った代金相当額を控除することができる」と言う規定が削除されました。物流代理業者は200に対して6%の増値税(12)を支払わなければならなくなり、物流代理業者としてはその税金負担に耐え切れず各荷主に一部の価格転嫁をしていました。もっとも、各荷主にとっては決して不利な話ではありません。営業税時代には仕入控除ができなかった物流代理業者に対する支払が、増値税改革の結果、仕入控除が可能となったので、たとえ増値税部分が荷主に価格転嫁されようとも、荷主の実質負担はむしろ減少していたと言えます。

今般、13年12月に公表された国税局2013年106号通達文書では、13年8月に削除された「物流代理業者が船会社に対して支払った代金相当額は、物流代理業者の売上高から控除することができる」という条文が復活しています。いったん削除した条文が再登場した形になっています。よって実務上、荷主に価格転嫁していた増値税部分についても、今後は価格転嫁する必要がなくなるのではないかという議論がされるようになりました。

しかし、これは間違いです。物流代理業者に対する課税関係は変更されていますが、おそらく、荷主に対する価格転嫁はなくならないと予測されます。理由は以下の通りです。

まず、物流代理業者の商流は複雑で、荷主→二次代理店→一次代理店→船会社というように複数の階層に分かれています。今回の法改正は一次代理店を想定した規定になっています。確かに、一次代理店が支払う増値税は船会社に支払う料金部分だけ、減少することになります。しかし、今回の法改正では、一次代理店は二次代理店に対して増値税専用発票を発行することが、事実上できません。中国では増値税専用発票を入手しなければ仕入控除ができないため、結果、二次代理店は一次代理店が受けた税務の恩恵のしわ寄せを受ける形になってしまいます。二次代理店はその税負担に耐えきれず、荷主に価格転嫁することが予測されます。ただ繰り返しになりますが、たとえ荷主に増値税相当額を価格転嫁されたとしても、荷主の実質的な税負担はありません。むしろ、営業税時代に比較した場合、税負担額が減少していると言えます。

具体的な金額を使って説明しますと、荷主300→二次代理店200→一次代理100→船会社という商流だとすると、荷主は二次代理店に300の代金を支払い、300の増値税専用発票を入手します。荷主は本来の売り上げ時に仮受した増値税とこの300を相殺した差額について増値税を納税することになります。二次代理店は荷主から300に対する増値税(18)を受取りますが、一次代理店に支払った200に対しては増値税専用発票を入手することができません。よって、二次代理店は18の増値税を支払うことになります。一次代理店は二次代理店から受取った200と船会社に支払った100を相殺した差額の100に対して増値税(6)を支払うことになります。このように、一次代理店と二次代理は同じ100の利益を計上しているにもかかわらず、増値税の負担額6と18となり、差異が生じます。

二次代理店から荷主に対する価格転嫁が継続された場合、荷主にしてみれば、2013年8月以降と何も変わらないということになります。いったん廃止された条文が再登場することにより実務が混乱しつつありますが、要点は、お金を払った人(今回であれば二次代理)が増値税専用発票を入手できるか、換言すれば、仕入控除できるかどうかなのですが、残念ながら現在の法規定では二次代理店は増値税専用発票を入手できません。本来、増値税は付加価値税ですので、各社が生み出した付加価値に対してのみ、課税されるべきです。しかしながら、現在の法規定では二次代理店は自社が生み出した付加価値以上の税負担を強いられており、その結果荷主に増値税部分を価格転嫁せざるを得ない訳です。

この問題は、今のところ各省で取り扱いが異なるようです。理論的欠陥を指摘する声もあり、今後改正が行われるかもしれません。いずれにせよ荷主となる各企業の状況は13年8月以降と変わりないと予測されます。グラント・ソントンでは、増値税改革が各企業に及ぼす影響を検討しています。日本の親会社に対して、中国の税制の仕組みをご説明しています。

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