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中国企業との資本提携に伴う会計・税務上の問題点

中国を生産基地として見ていた日本企業は、中国内資企業や欧米企業に比べ中国国内における販売網作りに後れをとっていると言われています。中国における販売力を強化するためには、中国人の消費動向に精通した内資企業との協働が有効な手段となり得ます。そこで、京都天華会計師事務所は10月12日、「中国企業との資本提携に伴う会計税務上の問題点と対応策」についてセミナーを開催しました。

資本提携形態

中国企業との資本提携には、「新規設立」「持分買収(第三者割当増資引受)」「資産買収(事業譲渡)」「合併」「分割」といった形態があります。それぞれメリット・デメリットがありますが、新規設立や持分買収といった形態がよく使われます。理由は、取引がシンプルなこと、税務負担が比較的少ないことがあるでしょう。

税務規定

持分買収において、現金を対価とした持分の取得であれば、税務負担は少なくて済みます。一方、株式等の現金以外の資産を対価とした持分の取得については、資本提携に伴い税金費用が発生するおそれがあります。

組織再編行為に関する税務規定には、「一般税務処理」と「特殊税務処理」というものがあり、前者に該当した場合は組織再編時に税金費用が発生します。

一方、後者に該当した場合は組織再編時に税金費用が発生しません。持分等を譲渡した対価が現金以外の財産の場合、納税者には現金が入ってこないわけですから、税金支払能力(担税力)がありません。そこで、このような場合には課税の繰延べを認めようとする趣旨です。同趣旨の規定は日本にもあります(表1参照)。

表1・組織再編税制日中比較

名称 適格組織再編 特殊税務処理
任意性 強制規定 任意規定
事業の継続 組織再編時に事業を継続する「見込」があればよい いかなる理由であろうとも、12カ月以上、事業内容を変更してはいけない
持分の継続保有 株式取得時には、取得した株式を保有し続ける「見込」があればよい いかなる理由であろうとも、12カ月以上、持分を取得し続ける必要がある
現金対価 対価に1円でも現金が混入してはいけない 対価の15%までは現金が混入してもよい

  国有資産評価

中国企業との資本提携に際しては、国有資産の評価が必要になる場合があります。中国において国有資産を取得するには、国有資産管理機構への事前報告、国有資産評価資格を有する資産評価会社による法定評価報告書、国有資産管理機構による審査・承認を経て、競売手続により取得する必要があります。

日本にも不動産鑑定士による不動産価格の評価がありますが、日本の不動産鑑定士と決性があるということです。すなわち、売買当事者の合意価額と違う所で評価会社による評価が行われ、仮に評価会社の評価額が当事者の合意価額より高い場合には、(事実上)評価会社の評価額が譲渡価格になってしまいます。

よって、どの評価会社を選定するかが大変重要になりますが、評価会社を選定するのは「資産を持っている方」、つまり譲渡側の会社です。譲受側は不利な立場にあるといえます。せめて、評価会社への業務委託は譲渡側と譲受側の双方による共同委託という形式にすることが好ましいです。また入札方式による場合、他社が競合入札を行い、価額がつり上がるリスクがあります。このような事態を避けるため、競合他社が登場してこないような工夫が必要です。

表2・国有資産評価方法

名称 適格組織再編 特殊税務処理
再調達原価法 ・評価対象資産の再調達価格を推定し、評価対象資産に現存する各種の減価要素を控除することによって評価を行う方法
・各種の減価要素とは、実際の損傷、機能的減価、経済的減価を含めた総合的な減価要素を指す
実務上、よく使われる
収益還元法 評価対象資産の将来の収益を予想しその財産価値を推定する評価方法 ・実務上、よく使われる
・再調達減価法を採用した場合でも、参考価格として算定しなければならない
市場価格法 市場における同様あるいは類似資産の最近の取引価格を利用して、直接比較分析あるいは分類比較分析により資産価格を推定する評価方法 類似企業の算定が困難なため、実務上、あまり採用されない
清算価格法 企業の解散を前提とした評価方法 生産中止企業、経営破綻企業など、継続企業を前提がない場合のみ採用

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当社は国有資産評価会社を有し、数多くの国有資産の鑑定評価を実施しています。国有資産譲渡取引の当事者と十分な討議を重ね、取引当事者の理解の下、専門家としての妥当な価格評価を行っています。


10月12日に開催した当社セミナーの様子

 

筆者

日本公認会計士 前島召治

法定監査業務、株価算定業務、財務調査業務、事業再生業務など会計税務に関する全般的なアドバイザリー業務の経験を持つ。京都天華ジャパンオフィスのシニアマネージャーとして中国進出日系企業に対して様々なサービスを提供している。

 

京都天華会計師事務所有限公司 Grant Thornton

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