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外国人の社会保険加入義務の現状

7月1日の社会保険法の施行および9月8日の外国人向け社会保険弁法の公布から数カ月経過しましたが、中国における外国人の社会保険加入義務、手続き、時期等について不明確な状況が継続しています。

上海市では「当面外国人は任意加入である」という情報や「5年以上滞在している外国人に対してのみ加入義務が課される」といった情報が飛び交っていますが、正確な情報であるかどうか定かではありません。

11月25日には北京市において日本商工会主催の「北京市社会保険法説明会」が開催されました。北京市と上海市とでは取り扱いが異なることが予想されますが、この説明会の内容は上海市の社会保険に関する動向を見る上で参考になると思われます。本稿では同説明会の内容を中心にご紹介いたします。

社会保険制度の概要

中国における社会保険制度は、基本養老保険、基本医療保険、失業保険、労災保険、生育保険から構成されます。企業は、企業が負担すべき各種社会保険金を納付するとともに、労働者が負担すべき金額を給料から天引きして納付する義務を負います。社会保険徴収機構は「強制性」を有し、口座開設金融機関に対して保険費の強制引き落としを要求できる権限を持っています。このような強い権限を持っているのは税務機関や税関だけです。

養老保険は老後の年金のためのものであり、累計納付年数が15年以上で、男性なら60歳、女性なら55歳になった時点で基本養老金を受給することができます。個人が複数地域を跨って就業した場合、基本養老保険関係も本人とともに移管し、納付年数は累計して計算されます。「移転継続制度」と呼ばれるものです。

医療保険は通院医療費および入院治療費のためのものであり、一定の限度額の範囲内で支給されます。医療保険は市レベルの行政単位が制度を運用しているため、勤務地が異動になった場合、異動後の勤務地の医療機関で保険を適用できるかどうかは不確定です。失業保険は一年以上納付している者に対して支給されます。

労災保険は労働者の業務上の死亡・傷害事故、就業中または出退社時の交通事故に対して適用されます。通勤途中の事故について従来は自動車・バイク事故等だけに限られていましたが、現在では自転車事故も含まれるようになり労災認定範囲が拡大しました。保険料率は業種と労災発生率によって異なりますが、日系企業は0.5%程度のところが多くなっています。

生育保険は日本には馴染みのないものですが、女性労働者の出産期間中の待遇を保障するものであり、たとえ会社に女性従業員がいなくとも、会社は納付義務があります。5つの社会保険の内、養老保険、医療保険、失業保険については個人負担部分があります。

加入義務者

外国人の社会保険の加入義務者については、駐在員事務所職員はどうなるのか? 現地法人から給料を受け取っていない者はどうなるのか?滞在期間は関係するのか? といった不明点があります。先の北京市での説明会では、加入義務者は「中国において就業している者」であり、駐在員であるかどうかや給与の支給形態は関係ない旨が明言されています。滞在期間については言及がありませんでした。よって、駐在員職員や中国において一切給与を受け取っていない者(就労者)であっても、社会保険に加入しなければなりません。

納付対象期間、納付時期、計算基数等

10月15日からの加入義務が明確になった後も、具体的な納付方法が明確にならない中、納付始期について不明確な状態が続いていました。先の北京市での説明会で2011年12月31日までに社会保険登記を実施し、納付起算日は2011年10月15日とする旨が明言されています。同時に、2012年1月1日以降に社会保険登記を行った場合、10月15日を起算日として1日あたり1万分の5の延滞金が発生することも明言されました。

繰り返しになりますが、これはあくまで北京市での説明会であり、各地方政府により取り扱いが異なる可能性はあります。実際、上海市では実施細則が公布されておらず加入手続きができない状況にあります。

また納付金額の対象となる計算基数ですが、北京市の月額平均給与の3倍である1万2603元を上限とすることが明らかになりました。この点、一部地方都市では「基数上限が撤廃されるのではないか」という情報がありますので注意が必要です。仮に基数上限が撤廃されたとしても、中国における労働契約額が計算対象であれば影響は比較的低く抑えられるかもしれません。

しかし、北京市での説明会では、給与額の計算は日本国内支給分と中国内支給分の合算で行われるとされており、仮に基数上限が撤廃されると納付額が多額になるおそれがあります。

納付手続きはまず、社会保険登記手続きを行います。社会保険基金センターにて事務所の批准文書や銀行の口座開設証明、組織コード証などを提示する必要があります。登録者には、社会保険カードが配布され、カード番号はパスポート番号に基づき発行されます。一旦発行されたカード番号は、終身不変となります。支払いは銀行口座からの引き落しによって行われます。

複数の勤務地にある子会社を兼任し給与も複数法人から支払われている場合には、どこか一つで登記すれば問題ありません。

※本稿では北京市における説明会を中心に紹介しており、上海市での取り扱いは実施細則の公布を待たなくてはなりません。

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