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何事も真摯に取り組む【職場変革ストーリー】第2回

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当対談では、企業で職場変革をしてきた方々のストーリーをお聞きします。第2回は、旭化成(中国)投資の人事総務部・梁冰さんです。

 

 本日は、梁さんの職場変革のお話を伺います。

 職場変革とまで言えるのか分かりませんが、弊社のグループ理念推進(従業員帰属向上)プロジェクトを紹介したいと思います。

今回のプロジェクトは、旭化成のグループ理念を中国の現地法人にどう浸透させていくかという話です。会社理念の浸透に関しては、日本本社や地域統括会社が中心となり活動に取り組むことが一般的ではないかと思います。ですが、比較的歴史があり組織がしっかりできている現法が多い旭化成グループの現状をみたときに、こちらからの一方的なやり方で有効なのかどうか、もう少し各社で自律的な活動ができないのかと悩みました。

 そうですね。理念浸透は、研修をするだけでは形式だけに留まる可能性が高く、明確な効果をはかるのも難しいですね。

 そこで内部での検討を重ねた結果、研修を行うのではなく、会社毎にグループ理念浸透トレーナーを育成することを提案しました。

 いいアイデアです。でも難しいことですね。自分の仕事の範囲外の事をやってもらうよう、どう皆さんを説得しましたか?

 そうですね。自分の仕事以外に負担がかかりますから、正直皆さんがどう思うのか気になるところでした。

そこで、提案を行うにあたり、グループ各社の中国人人事担当者や幹部達と意見交換をしましたが、話してみると、皆さんが後押しをしてくれました。

 良かったですね。その後は、具体的にどう進めましたか。

 会社理念は言葉そのものが認識されていても、その背景にあるものは伝わりにくいです。海外では言葉に加えて文化の違いや価値観の違いがあり特に難しいと思います。我々は各社のトレーナー候補者たちに肌で旭化成を感じてもらいたいと考え、トレーナー研修を旭化成の創業地である延岡で実施することを提案しました。

 これも、いいアイデアですね。ただし、組織内の説得が本当に難しそうです。

 そうですね。海外関係会社主催の研修を延岡で行なうのは旭化成グループで初めてではなかったかと思います。このような試みは周りの支援がないとできません。まず、上司にこの案を賛同して貰わないとできません。幸い、弊社はとても風通しのいい会社で、上司に他の中国人社員の意見も一緒に聞いてもらったことで、なんとかこの案がやれるのではと思ってくれたようです。

 上司の協力は心強いですね。次の説得先はどこですか?

 本社人事部への提案は勿論ですが、中国にある約20社の現地法人の大半に上司と一緒に伺い、この案を説明しました。いろんなご意見があったものの、最終的には15名の方々に延岡研修に参加して頂くことができました。

 上司と役割分担しながら一緒に進める。まさに「主導力」ですね。

 会社理念浸透というテーマは日本と海外ではアプローチが違うと思います。上司は決して日本でのやり方を押し付けませんでした。私のこの企画に対する思いを理解した上で、本社や現地法人のトップにも一緒に働きかけてくれて、今回のことができたと思っています。1人では何もできないと実感しました。

 私も色々な会社でお手伝いしていて、中国人の現場担当者と日本人上司の協力と役割分担が重要だと本当に実感します。次はトレーナー候補者の選択ですね。

 御社が作った「主導力」というコンセプトは、我々もリーダーに求める大事な要素だと考えています。今回弊社グループ理念トレーナーの皆さんは自分で考える力を持っており、そして周囲に影響力を与えるリーダー達です。

 実際に進める中で、何かエピソードがありますか?

 そうですね。延岡に行く前に事務局から研修参加者へ出した事前課題の一つに、所属している会社の総経理に自社のミッションや方針をインタビューするというものがありました。ある参加者から聞いた話では、普段総経理には業務報告や会議の場で接していますが、今回のインタビューで総経理の会社の将来や自分達への期待についてのお考えを初めて知ったそうです。

 いいコミュニケーションの機会ですね。

 実際延岡に行ってからも、会社の歴史を学んだり工場見学等を通して旭化成グループへの理解を深めたと同時に会社のことをもっと好きになったという方が多かったと思います。延岡で感じ取ったことを是非自分の会社の人たちにも伝えたいと話してくれました。

田さんには研修講師として延岡にも来て頂きありがとうございました。田さんのお陰で参加者がトレーナーとしての役割や手法を学ぶことができました。

 このプロジェクトは、今後数年間、続ける計画もあるとお聞きしました。

 理念浸透活動は各会社で続けることが重要です。トレーナーの皆さんには今後の自社での推進計画を作成してもらいました。我々はサポーターとして、グループ社内報で皆さんの活動を紹介したり、お互いの活動を見学し合うなど、しっかり支援していきたいと考えています。

 理念浸透を機に大きな変化が生まれそうですね。今、中国の日系企業では「組織文化変革」に取り組んでいる人がたくさんいます。最後に、読者の皆さんに元気が出る一言を頂けませんか?

 弊社の人財が共通に持つべき価値観であるグループバリューは「誠実・挑戦・創造」です。今回紹介させていただいた弊社の理念浸透活動はスタートしたばかりです。仕事の中では楽しいことも苦労することもありますが、何事に対しても真摯に取り組むことが大事です。真剣に取り組んでいくうちにいつかみえてくるものがあるのだと思います。

 

 


 

梁冰(Bing Liang)氏 旭化成(中国)投資有限公司 人事総務部 マネージャー 東京大学大学院教育学研究科修士課程修了。2013年旭化成(中国)に入社。

梁冰(Bing Liang)氏
旭化成(中国)投資有限公司 人事総務部 マネージャー
東京大学大学院教育学研究科修士課程修了。2013年旭化成(中国)に入社。

 

田 鋒慧(Fenghui Tian)  インヴィニオチャイナ 副総経理・Educer      大学統一入学試験をトップの成績で北京大学経済学部に入学。卒業後、韓国サムスン電子のGlobal Scholarship Program に選ばれ、高麗大学大学院で国際商務の修士号を取得。サムスン電子韓国本社にて、中国 PC 事業のマーケティングを担当。アメリカ、日本での業務を経て、2012 年インヴィニオチャイナに入社。プログラム開発と講師を統括。中国語、韓国語、英語、日本語に堪能。

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