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第10回 「滬港通」で進む資本取引の開放

MIZUHO 中国経済ウォッチ 第10回

 

 

上海と香港地区の証券取引所で投資家による株式の相互取引を可能とする「滬港通」が11月17日、スタートした。限定的ながら、個人投資家にクロスボーダーの証券投資を認めており、これを機に資本取引の開放と人民元の国際化が加速するのかが注目される。

 

投資額に上限設定でリスク防止

「滬港通」とは、国内の投資家が上海証券取引所の子会社を通じて香港市場の株式を、香港地区の投資家が香港取引所の子会社を通じて上海市場の株式を、それぞれ売買することができる仕組みだ。李克強首相が2014年4月に海南省で開催されたボアオ・アジア・フォーラムで実施を表明。実施に向けた制度・システム面の準備が進められてきた。

 

「滬港通」で取引できるのは、両市場のインデックス(上証180、上証380、ハンセン総合大型株、ハンセン総合中型株)構成銘柄のほか、上海A株と香港H株に重複上場している銘柄に限られる(開始時点で上海568銘柄、香港地区268銘柄)。また、香港市場の株式を売買できる国内の個人主体は、証券口座等の預かり資産が50万元以上の投資家に限定されている。

 

「滬港通」は、投資家全体の投資額に上限を設定している。上海から香港地区への投資における総限度額(売買相殺後の差額、以下同)は2500億元、1日の限度額は105億元となっており、香港地区から上海への投資における総限度額は3000億元、1日の限度額は130億元となっている。決済は人民元で行われ、取引資金を自由に両替することはできない。香港金融管理局は「滬港通」に合わせ、香港地区居住者による1日の人民元両替上限(2万元)を撤廃した。

 

香港市場メインボード(普通株)の時価総額(2014年10月末)は25兆1397億香港ドル(約19兆9237億元)で、1日の取引金額(10月平均)は468億香港ドル(約371億元)。一方、上海市場A株の時価総額と1日の取引金額(ともに同上)は18兆0816億元、1741億元となっている。

 

「人民元の国際化」も促進

中国におけるクロスボーダーの証券投資は現在、当局の批准を受けた適格機関投資家(「QFII」や「QDII」等)が認可された投資枠内で行う形に制限されており、外国人の個人投資家が売買できる中国株は外貨建てのB株に限られている。中国人民銀行は2013年12月、中国(上海)自由貿易試験区(上海FTZ)における金融開放措置の一つとして、区内で就業する中国人(外国人)による国外(国内)での証券投資を認める方針を発表したが、2014年11月末時点で未だ実施されていない。

 

このため、限定的ながらも個人投資家にクロスボーダーの証券投資を認める「滬港通」は、資本取引の開放における画期的な措置といえる。また、オフショア人民元の投資機会が拡大し、「人民元の国際化」も一段と促進される。運営が順調にいけば、上海FTZにおける改革措置や「深港通」(深圳証券取引所と香港取引所の相互取引)の実現も期待できる。

 

報道によると、中国人民銀行は11月、国内の適格機関投資家が人民元で国外証券投資を行う「RQDII」制度を開放した模様だ。同行は、国内個人による国外証券投資(いわゆる「QDII2」)の導入に向けた検討も進めている。「滬港通」を機に、資本取引の開放と人民元の国際化が加速するのかが注目される。

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