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第16回 外債管理に規制緩和の動き

MIZUHO 中国経済ウォッチ 第16回

 

中国で外債管理の規制緩和が進みつつある。国家外貨管理局は、深圳前海地区等で純資産額に基づく外債借入の試行を開始。中国人民銀行も自由貿易口座を通じた国外資金の調達を解禁した。いずれも、残高管理を適用しているほか、内資企業の外債借入に大きく道を開いている。

 

内資企業に外債借入を開放

 

国家外貨管理局は今年2月、深圳市の前海深港現代サービス業合作区や江蘇省張家港市の張家港保税区等における外債マクロプルーデンス管理の試行実施を承認した。金融機関や不動産企業等を除く区内企業は3月以降、前年度末の純資産の2倍の範囲内で外債を借り入れられるようになっている。

 

現行の外債管理規定によれば、外商投資企業は投資総額と登録資本金の差額(=投注差)の範囲内で外債を借り入れることができる。期限1年以内の短期外債に残高管理が適用され、返済後に費消した枠が再度利用可能となるのに対し、中長期外債は発生額管理が適用され、返済後も費消した枠は再利用できない。そのため、自社で投注差枠を管理する必要がある。新たな管理方式は、中長期外債についても残高管理を適用。より柔軟な外債借入を可能としている。

 

今回の試行措置のもう一つのポイントは、内資企業の外債借入に大きく道を開いていることだ。現行規定によれば、内資企業は外債借入に当たって当局の認可を得る必要があるほか、借入外貨の人民元転も通常、禁止される。

 

一方、新たな管理方式は内資・外資に対する政策不一致の解消を図っており、内資企業も外資と同様に認可なしで外債を借り入れ、人民元転することができる。ただし、内資企業は外債契約登記の申請時点において、登記を申請する外債を含むすべての負債が総資産の75%を超えていてはならないという制限が設けられている。

 

1年超え短期外債を残高管理に

 

中国人民銀行による資本取引開放の“実験”も進行中だ。同行は今年2月、中国(上海)自由貿易試験区内の企業が既存の銀行口座とは別に開設する自由貿易口座を通じて国外資金を調達することを認めた。資本金(払込資本金+資本積立金)の2倍を上限(非金融企業の場合)とする総規模の範囲内で外債借入を可能とするもので、残高管理を適用している。内資企業のほか、ノンバンクもこの方式を利用して外債を借り入れられるようになった(上限は一般企業の総規模と異なる)。

 

この管理方式においては、必ずしも総規模=借入上限額とならない。調達資金のリスク因数を乗じた金額が総規模に計上されるためだ。例えば、短期外債は実際の借入額の1.5倍で計上する。現行規定では外債扱いされない外貨建てトレードファイナンスも一部の額が計上される点にも注意が必要となる。

 

上記の試行措置とは直接関連しないが、国家外貨管理局は3月、ロールオーバー(繰り延べ)により借入期間が1年を超えた短期外債に発生額管理を適用すると明記した規定文書を廃止している。同規定は、外貨流入が著しかった2011年に暫定措置として施行されたものだ。これを受け、上海ではすでに、ロールオーバーにより借入期間が1年を超えた短期外債が残高管理に組み入れられている。

 

このように、少しずつではあるが、外債管理の規制緩和が進んでいる。背景には外貨流入圧力の弱まりがあり、状況次第で規制緩和の動きが広がる可能性もあろう。

 

外债管理放宽限制进行中

中国的外债管理正在逐步放宽限制。国家外汇管理局在深圳前海等地区开始了按照净资产借入外债的试点,中国人民银行也开放了通过自由贸易账户融入国外资金,均实行余额管理,并给内资企业打开了借入外债的通道。

 


みずほ銀行(中国) 中国アドバイザリー部 月岡 直樹

月岡 直樹

みずほ銀行(中国) 中国アドバイザリー部
2004年関西学院大学卒。ビジネス誌の編集を経て、2012年7月より現職。現在、中国のビジネス法規を解説する「みずほ中国ビジネス・エクスプレス」の執筆を担当している。

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