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第2回 日本の対中直接投資の行方

MIZUHO 中国経済ウォッチ 第2回

 

 

日本の対中直接投資は2013年、コスト上昇等が影響し、実行ベースで前年比4.3%減の70.64億ドルにとどまった。一方で、消費の拡大や市場開放・規制緩和の進展により、日系企業にとって市場参入のチャンスが広がる業種も出てきている。

 

サービス業が初の5割超え

中国商務部の発表によると、2013年の世界の対中直接投資(対中FDI、実行ベース)は前年比5.3%増の1175.86億ドルであった。このうち、サービス業は同14.2%増の614.51億ドルで対中FDI全体の52.3%を占め、製造業は同6.8%減の455.55億ドルで全体の38.7%にとどまった。

 

サービス業の投資額が対中FDI全体の半数を超えるのは初めてとなる。商務部は、特に社会福利保障業、電気機械修理業、娯楽サービス業の投資が伸びているとしている。対中FDIが「世界の工場」に対する投資から、「世界の市場」を狙う投資へと急速にシフトしていることがうかがえよう。

 

リスクある一方で期待も高く

一方、13年の日本の対中FDIは同4.3%減の70.64億ドルにとどまった。円安によりドル建ての投資額が目減りした可能性もあるが、人件費等のコスト上昇などが影響して、新規投資が(いわゆる「チャイナ+1」としての)ASEAN諸国に流れたことが大きな要因と考えられる。日本財務省の国際収支統計によれば、日本の対外直接投資における中国の構成比が減少(12年11.0%→13年上期8.9%)する一方で、ASEAN諸国が大幅に増加(12年8.8%→13年上期18.5%)しており、この傾向が裏付けられる。

 

日本貿易振興機構(JETRO)が昨年9月に発表した日本企業に対するアンケート調査結果では、中国ビジネス上のリスク・問題点として「人件費が高い、上昇している」と「政情リスクに問題があるから」を挙げる企業が過半数を超えていた。ただ、同アンケートでは「既存ビジネスを拡充、新規ビジネスを検討する」との回答も6割に上っており、中国ビジネスへの期待は依然として高いことが分かる。逆に「既存ビジネスの縮小、撤退を検討している」企業は全体の8%弱にとどまっている。

中国経済は高度成長から成熟化の時代に突入しているが、日系企業にとっての新たな市場参入、既存ビジネス拡大のチャンスが広がっている業界もある。大気汚染の深刻化で日系メーカーの空気清浄機が飛ぶように売れたことに象徴されるように、日本の省エネ・環境技術へのニーズは高まる一方。都市化の進展に伴って、消費市場の拡大が続くことも期待される。

 

また、上海の4保税区を改組して設立された中国(上海)自由貿易試験区で、市場開放・規制緩和の“実験”が始まっていることは、外商投資企業にとって追い風と言える。日本の対中FDIは製造業が61.8%を占めている(2012年)が、今後は中国経済の構造転換に伴って、サービス業の進出が一段と加速するものと期待されよう。

 

日本の対中FDI の推移

 


 

みずほ銀行(中国) 中国アドバイザリー部 月岡 直樹

月岡 直樹

みずほ銀行(中国) 中国アドバイザリー部
2004年関西学院大学卒。ビジネス誌の編集を経て、2012年7月より現職。現在、中国のビジネス法規を解説する「みずほ中国ビジネス・エクスプレス」の執筆を担当している。

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