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第4回 人民元、国際化への歩み

MIZUHO 中国経済ウォッチ 第4回

 

 

人民元クロスボーダー決済は、中国当局の段階的な規制緩和、オフショア市場の拡大が相まって増加を続けている。最近では、中国(上海)自由貿易試験区における人民元決済の規制緩和・金融改革が推進されており、人民元は国際通貨としてより重要な役割を担っていくことが予想される。

 

人民元国際化の潮流

2009年7月より試行的に開始された人民元クロスボーダー決済は、10年6月の試行地域拡大を契機に大幅に増加。11年10月には資本取引への開放、13年7月の経常決済手続簡素化、14年1月の直接投資手続簡素化等、段階的に対象取引の拡大や利便性の向上が図られ、右肩上がりに増加を続けてきた。また、オフショア人民元市場も13年2月に台湾地区との人民元決済が解禁され、直近ではドイツ・英国と各金融市場での人民元建て決済サービス開始について中央銀行レベルで合意がなされるなど、香港地区、シンガポール、台湾地区に続くオフショア市場の設立に向けた動きも活発化している。

 

14年2月には世界の決済全体に占める人民元のシェアは1.42%、決済(支払)通貨としての地位は世界第8位となった*。他通貨が横ばいを続ける一方で、人民元は過去2年間で取引シェアを3倍に急成長させている。

 

最近の規制緩和動向

先般の全人代において、李克強首相が「人民元について変動幅を広げ(すでに14年3月に対ドル変動幅が人民銀行仲値の±2%に拡大)、資本勘定における交換性を高める」と明言。2020年の上海国際金融センター構想に向け、人民元取引自由化に向けた動きがさらに加速するものと予想される。

 

先月号でも触れている通り、中国(上海)自由貿易試験区(上海FTZ)において、すでに区内企業を対象とした人民元クロスボーダー決済に関する規制緩和・簡素化措置が発表されている。たとえば、投注差モデルに代わる人民元外債の新たな枠組みが創設されており、投注差の残枠に限りのある区内企業にとっては外債枠に縛られない新たなオフショア人民元調達手法として活用が広まることも予想される。また、人民元クロスボーダープーリングの解禁については、事業が成熟し、手元の余剰人民元資金の国外での活用に頭を悩ませる企業にとっては配当金やクロスボーダー対外貸付に代わる新たな手段として、またグループ内の人民元資金を効率的に融通したいグローバル企業にとっては門戸が開放されたということで、注目を浴びている。

 

国際化への動きに拍車も

上海FTZにおいては、オフショア金融に関する通達の発表が待たれるところである。オフショア金融の枠組みの中で市場金利での人民元調達、自由な為替取引、クロスボーダーでの資本取引の自由化などが実現すれば、外資企業の対中、国内企業の対外決済の双方向で人民元建てフローの増加が見込まれる。

 

なお、上海FTZにおける「試み」は中長期的には全国に展開される見込みであり、人民元の国際化に向けた動きに拍車がかかることは間違いないだろう。

 

 

中国の人民元建貿易決済額

 


 

三輪 開

三輪 開

みずほ銀行(中国) 中国営業開発部

2002 年東京工業大学卒。13年10月より上海自由貿易試験区に関するマーケティングを担当。

 

人民元
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