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第7回 国有企業の混合所有制改革

MIZUHO 中国経済ウォッチ 第7回

 

 

中国の国有企業改革が加速している。契機は昨年11月に開催された三中全会による決定だ。国有企業が民間資本を受け入れ、ガバナンスや経営効率の向上を図る混合所有制経済の発展が改革の柱となる。改革が進展すれば、外資の参入チャンスも広がる可能性がある。

 

三中全会で基本方針を明示

中国共産党の第18期中央委員会第3回全体会議(三中全会)は昨年11月、改革開放をさらに進展させるための政策方針『改革の全面的な深化における若干の重大問題に関する決定』を可決。混合所有制を柱とする国有企業改革の基本方針を明らかにした。

 

混合所有制改革とは、公有資本が支配する国有企業に民間資本や外国資本を参加させ、国有企業の資本と経営を分離し、ガバナンスや経営効率、収益力の向上を図ることをいう。決定は、国有資本プロジェクトへの民間資本の株式参加、国有資産の特定分野への重点投下、混合所有制企業の従業員による自社株所有、民間資本による混合所有制企業の支配等に踏み込んだほか、2020年に国有資本収益の国庫納付比率を30%まで高める方針も明記した。

 

国有企業の再編を進める上海

決定を受け、地方でも国有企業改革が進んでいる。上海市は、同市の国有資産管理部門が管理する国有資本の80%以上を戦略的新興産業(省エネ・環境保護、バイオ、新エネルギー等の7産業)、先進的製造業、現代サービス、インフラ施設、民生保障等の分野に集中させるほか、企業株式制改革を推し進め、中核業務・資産、さらには集団全体の上場を進める方針を発表。国有資本管理会社による国有企業の再編も図っている。

 

上海市が現在進めているのは、国有企業の上海国盛(集団)を一般国有企業の、上海国際集団を金融関連国有企業の持株会社と位置付け、この2社から既存の業務を切り離して純粋な持株会社とし、上海の国有企業をその傘下に組み入れる形の企業再編だ。これにより、市政府や持株会社は出資者としての職責履行に専念し、国有企業の具体的な経営活動に対する干渉を最小限に抑える考えだ。

 

外資の投資チャンスも拡大か

国務院国有資産監督管理委員会(国資委)は7月15日、国資委が直轄する中央企業で試行実施する改革4項目を発表した。4項目は、①国有資本投資会社への改組、②混合所有制経済の発展、③董事会による高級管理人員の選任・業績考課・報酬管理の職権行使、④紀律検査チームの国有企業への常駐で、それぞれ数社の中央企業を選定して改革を進めている。

 

試行企業以外の国有企業も、国資委が強調する「一企一策(一企業、一施策)」の方針に基づいて改革を実施している。コングロマリットの中国中信集団(CITIC)は今年3月、傘下の香港地区上場企業・中信泰富にグループの全株式を売却して集団全体の上場を図る方針を発表(8月に再編完了)。中国石油化工集団(シノペック)も、その販売子会社で3割の民間出資を受け入れることを明らかにし、複合企業の復星集団やネット大手のテンセントが出資の意向を示している(9月末に出資者決定の予定)。

 

国有企業改革の進展により、外資の参入チャンスも広がる可能性がある。参入にあたっては、十分な利益率を見込めるかに加え、少数株主としての発言権が担保されるか等もポイントとなろう。

 


 

みずほ銀行(中国) 中国アドバイザリー部 月岡 直樹

月岡 直樹

みずほ銀行(中国) 中国アドバイザリー部
2004年関西学院大学卒。ビジネス誌の編集を経て、2012年7月より現職。現在、中国のビジネス法規を解説する「みずほ中国ビジネス・エクスプレス」の執筆を担当している。

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