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業界インタビュー

帳票・BIの雄が本格攻勢へ – ウイングアーク 代表取締役社長 内野弘幸氏


[ 2013-12-23 ]
内野弘幸(うちの・ひろゆき)氏●1979年明治学院大学経済学部卒業。オフィスコンピュータのディーラーでの営業、SEを経て、ソフトウェア開発会社へ転職。2004年専業事業拡大のため分社独立によりウイングアークテクノロジーズ(現ウイングアーク)設立、代表取締役社長に就任。09年持株会社体制への移行に伴い1stホールディングス代表取締役社長に就任、現在に至る。

内野弘幸(うちの・ひろゆき)氏●1979年明治学院大学経済学部卒業。オフィスコンピュータのディーラーでの営業、SEを経て、ソフトウェア開発会社へ転職。2004年専業事業拡大のため分社独立によりウイングアークテクノロジーズ(現ウイングアーク)設立、代表取締役社長に就任。09年持株会社体制への移行に伴い1stホールディングス代表取締役社長に就任、現在に至る。

1stホールディングスグループのウイングアークは、2014年2月に中国対応した帳票ツール「SVF」をリリースし、中国事業を本格化する。独立系ソフトベンダーとして日本でトップシェアを誇る帳票・BI※ツールで、中国でも躍進していく考えだ。13年4月にMBOで非上場化することを発表後、クラウド対応など、新たな施策を積極的に打ち出す代表取締役社長の内野弘幸氏に、中国での販売戦略や今後の計画を聞いた。

※BI (ビジネスインテリジェンス):企業などの組織のデータを収集、蓄積、分析、報告することで、経営上の意思決定に役立てる技術のことをいう。

 帳票ツール「SVF」の中国語版を投入へ

20131月に日本でトップシェアの帳票ツール「SVF」をリリースしてから約1年が経過しました。

「SVFは、伝票類や申請書類などの帳票を出力・運用することを目的としたツールです。日本において約1万7500社の導入実績を誇り、50%以上の市場シェアを獲得しています。この10年間で、日本では帳簿運用を海外拠点やオープン環境下で実現したい、あるいはPDFやエクセル形式での帳票出力や運用をしたいといったニーズが高まっており、それに応えてきました。この1年間、中国においても日系企業を中心に導入実績を伸ばしています。まずはニーズの多い日系企業顧客を開拓し、その後中国系企業への販売を強化する方針です」

142月には、中国対応したSVFのリリースを予定していますが、どのような点に対応したのでしょうか。

「中国においても、帳票は企業において必要不可欠ですが、日本ほどその活用は進んでいません。いまの中国は、日本の10数年前と似ており、帳票をPCでHTMLとして見たいというニーズや、エクセルで加工したいといった要望が多いです。そこで製品のUI(ユーザーインターフェイス)を中国語対応するだけでなく、こうした中国ならではのニーズに応える機能を強化しました」

PDF帳票特化型アーカイバー「SVF PDF Archiver」の拡販にも注力していくそうですね。

「SVF PDF Archiverは、SVFで出力したPDF帳票(PDF形式で作成した帳票)をはじめ、ワードやエクセルで作成したPDF帳票を安心・安全に保管し、必要時に正確かつ漏れなく検索・参照できる環境を提供します。当製品により、中国の電子保管市場を開拓したいと考えています」

―中国の電子保管市場において、同製品はどのような強みを持つとお考えですか。「中国の一部地域の行政では、紙の保管を電子化することで大きなコスト削減・運用改善を実現しており、現在電子保管の流れが加速しています。SVF PDF Archiverは、単に帳票を保管するだけでなく、複数帳票を一括検索でき、さらに高速に正確かつ漏れなく検索、参照できます。また、誰がいつ、どの帳票を参照し、印刷、ダウンロードしたかをログとして確認できます。これらが、中国でも大きな強みになると考えています」

BIツールを中国企業中心に90社に導入

―御社は09年にウイングアーク上海を設立し、BI(ビジネスインテリジェンス)ツールの「Dr.Sum EA」と「MotionBoard」を中国市場に投入しました。両ツールをご紹介ください。

「Dr.Sum EAは、さまざまな企業システム内に蓄積された膨大な情報を統合し、高速かつ柔軟に集計、分析し、情報を可視化する環境を提供します。最大の特長は、高速なデータ集計のために開発されたデータベースエンジンと、操作性に優れている点です。一般的なBIツールに特有の難しい操作は必要ありません。ユーザーはストレスを感じずにスピーディーな意思決定のための集計、分析を行えます。一方のMotionBoardは、企業システムにリアルタイムに集められる情報を可視化し、刻一刻と変化する企業内情報などにキャッチアップするための統合可視化基盤です」

―進出当時、中国のBIツール市場をどのようにご覧になっていましたか。

「当時、すでにSAPやIBMなどの大手がBIツールを中国で展開していましたが、そのターゲットは大手金融や政府系などの大企業に限られていました。われわれが強みとするのは中堅、中小企業ですが、この領域はブルーオーシャンでした。Dr.Sum EAは、使い勝手がいいのが特徴です。現場の方が自分たちで使いこなせるよう、作り込めることが中国でも優位性を発揮すると考えました」

image1150―この4年間の導入実績はいかがですか。

「導入企業は90社弱となっています。経営企画部門や業務部門の管理者がさまざまな角度から経営、業務分析を行う際にはDr.Sum EAを、経営者が視覚的に週・日次で経営状況を把握する際にはMotionBoardをと、目的に応じて使い分けていらっしゃいます」

―中国ならではのご苦労はありましたか。

「苦労というか、反省はあります。日本ではわれわれが営業先でDr.Sum EAを説明すれば、どう使用するかをだいたいイメージできる方が多いのですが、情報化の歴史が浅い中国では説明しても、なかなか発想がわかないのです。これに昨年ようやく気がつき、営業の際にクライアントの利用シーンを事例を交えて説明するようにし、また業種別のテンプレートを用意しました。その成果もあり、おかげ様でこの1年は導入ペースが速まっています」

BIツールの潜在ニーズは大きい

Dr.Sum EAMotionBoardには、どんな業種のテンプレートがありますか。

「われわれが中国で攻めたいと考えている製造業、小売り、外食、医薬品の4つの業種のテンプレートを展開しています。日本でも、当社は製造業と小売り、外食のクライアントから多くの引き合いをいただいています。小売りのクライアントには、伝統的な小売店とともに、ネット通販(EC)でもご活用いただいています。ECは詳細な顧客情報をとれるため、BIを活用するのに最適な業態といえます。メーカーが自社で立ち上げたECサイトでご利用いただくケースが多いです」

Dr.Sum EAMotionBoardは、中国系企業のクライアントが多いようですが、どのような導入事例がありますか。

「BIのユーザーは、中国系企業が7割、日系企業が3割です。中国系企業では、日用品ブランドが中国全土での販売分析をするためのソリューションとして導入している例や、中国料理の大手レストランチェーンが料理ごとの売り上げ・原価分析などに活用している例があります。また、アパレルブランドがリアル店舗とECを跨いだ分析を展開しているケースもあります。日系企業では、電機メーカーが営業管理の効率化のためのツールとして、保険会社が営業分析ツールとしてご活用いただいている事例などがあります」

image1151―中国でもビッグデータの活用が話題になっていますが、中国の経営者はBIの活用に積極的でしょうか。

「経営者のデータに対する意識が変わってきているようです。中国でもERPシステムの導入が進み、企業にデータがどんどんたまってきています。それをどう活用するかを皆さんが考え始めています。中国の経営者は日本の経営者よりも、アメリカの経営者の考えに近いと思います。自分で企業の状況を分析し、ジャッジし、トップダウンで経営を進めていくスタイルの方が多く、日本以上にBIの潜在ニーズが大きいと感じています。先ほどの大手レストランチェーンの経営者も、情報に対する要求が非常に高いです。効率的な調達を実現するために、原価の可視化を行っているほか、ポイントカードをもとに顧客分析を行い、販促キャンペーンを実施するなどしています」

グローバル展開の最重要拠点

image1152―中国におけるサポート体制をご紹介ください。

「大連に拠点を置く当社の現地法人、1stTCは現在30人体制で、中国向けSVFなどの開発、サポートを行っています。製品のローカライズから品質テスト、製品出荷、そしてSVFのサポートセンターの役割を担っています。クライアントはSVFを導入後、われわれ大連のサポートセンターがしっかりサポートするので、専門のチームを設ける必要がありません。上海と北京にも技術者を置いており、フォローしているので、安心してご利用いただけます」

―日本でパートナービジネスを成功させ、大きく成長したウイングアークですが、ここ中国でのパートナービジネスはうまくいっていますか。

「中国でも一部日系企業のクライアントには直接販売を行うケースはありますが、基本的にパートナー経由での販売となります。中国のパートナー企業は現在、36社です。今後、少しずつ拡充していく計画です」

―今後の中国事業の計画を教えてください。

「パートナー企業との協業を深化させながら、テンプレートを充実させていくつもりです。中国市場でしっかりブランドを形成し、『BIツールならDr.Sum EA』と認知いただくようにしたいです。また、帳票ツールのSVFはまず日系企業の皆さんにしっかりご利用いただくことが目標です。また、中国でもクラウドサービスがかなりのスピードで普及していくとみており、当社の製品もクラウド上でご利用いただくことも検討しています。今後も中国をグローバル展開の最重要拠点と位置づけ、市場開拓に力を入れていきます」

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