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業界インタビュー

BizCHINA2016年12月号, 上海ラクトコンサルティング総経理 今宮 徳洋 氏 – 国際スポーツ大会を手作り/「体験」通じて世界に感動を


[ 2017-01-07 ]

中国国家体育総局のレポート(※1)によると、日常的に運動やスポーツをおこなう20歳以上の国民は2014年末、07年比で7000万人増の4億1000万人に達した。リサーチ機関世界大手ニールセンは、中国のスポーツ消費に巨大な潜在市場を読み取っている(※2)。この潮流に身を投じ、上海のスポーツ・イベント需要を切り開いてきたのが、スポーツ大会の企画運営などを手がける上海ラクトコンサルティングだ。16年10月末には、創業7年の集大成として、企業・団体対抗スポーツの祭典「インターナショナル 楽SPO FESTA」を開催した。今宮徳洋総経理に同大会の狙いと同社の目標を聞いた。

※1 中国国家体育総局2015年11月16日付「2014年全民健身活動状況調査公報」

※2 ニールセン15年12月10日付「2015年中国体育人群調査研究報告」

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今宮 徳洋(いまみや・のりひろ)氏●1977年生まれ。2000年同志社大学法学部卒業。イベント企画学生ベンチャーや人材紹介会社の立ち上げを経て、2009年に上海ラクトコンサルティングを創設、総経理就任。現在に至る。スポーツ全般を愛好するが、中でも野球とソフトボールが得意。「1球1球に駆け引きのある頭脳戦的性格、チーム競技でありながら個々人に見せ場がある多面性など、奥深さが魅力」と語る。

 

 

1. ブルーオーシャンへの挑戦

上海ラクトコンサルティングは2009年設立。社内レクリエーションや社内イベント・式典などのプロデュースや運営代行、スポーツ・イベントの企画運営「楽SPO」、飲食店の予約代行サービス「楽っと予約」、ランチおよびディナーを宅配する「楽っとデリバリー」、従業員の福利厚生の一環としての社内特売会開催といった事業を手がけている。

 

──創業の動機は。

「大学生のときイベント企画・運営会社の学生ベンチャーを起業して、イベントが参加者・運営者双方に生み出す感動は分かっていた。その後、人材系の会社を立ち上げたが、20歳代後半から、自分の魂を120%注げるほどやりたい仕事は何なのかと模索するようになった。30歳になったころに思い出したのが学生時代のイベント事業での感動だった。一生を捧げる価値のある仕事だと実感し、事業を立ち上げようと思った。

では、イベントはなぜ感動をもたらすのか。

そこに非日常の体験があるからだ、と気がついた。運動会、キャンプ、学園祭、部活の試合──人によって千差万別だろうが、人生で思い出に残っていることをイメージしてみよう。ほとんどの思い出は“体験”、それも“非日常的な体験”から生まれているはずだ。体験を通じて世界に楽しみ・笑顔・感動をプロデュースする──これこそ自分がやりたい仕事だと自覚したとき、そのための事業を興そうと決心した」

──舞台に中国・上海を選んだ理由は。

「体験イベントの象徴として、真っ先に思い浮かんだのがスポーツ・イベントだった。一方、当時の私は上海に住んでおり、中国ではスポーツを楽しむ習慣はまだ一般市民の間に根づいておらず、事業マーケットとして大きな潜在成長性があるとにらんだ。

オリンピックのメダル獲得数で世界上位をキープするなどスポーツ大国のイメージを持たれがちな中国だが、公園でスポーツに興じる子供の姿は日本に比べてずっと珍しいし、文武両道をコンセプトとする日本の学校に対して、学校は学問の場という考えの強い中国では、実は部活動やスポーツ・サークルも日本のように一般的ではない。つまり多くの中国人は、日本人に比べスポーツ経験が少ないまま社会に出ている。

では、そこにスポーツという体験を提供したら何が起きるか──巨大なブルーオーシャンに挑戦したいとの思いが、抑えがたく湧き起こった」

 

2. 上海スポーツ需要の変遷

同社は09年から、上海でスポーツ・イベント「楽SPO」を開催している。現在のラインナップはソフトボール、フットサル、駅伝、テニスの4種目で、年間計5000人以上の参加者がいる。

 

──創業から7年、上海のスポーツ需要の変化は。

「開催のたびに参加チーム数は増えている。以前はサークルや友人同士での参加が大半を占めていたが、最近は企業チームが目立つ。ソフトボール大会は楽SPOの中で最も参加者が多く、1000人以上に達する場合もあるが、今では参加チームの半数以上が企業チーム、それも日本人と中国人の混成チームが徐々に増加している。従業員に対する福利厚生としてスポーツ・イベントに参加する企業が増えてきていることが、その背景だ」

──従業員側からのリクエストか、経営側の取り組みか。

「日本人総経理や日本人社員から、中国人社員に参加を呼びかけているケースが多い。目的は社内コミュニケーションの強化や一体感の向上と思われる。オフィスと違う非日常的体験を共有することは、同僚・上司・部下の新たな一面の発見につながり、自然とチームワークが生まれやすくなる。それによる業務効率の向上、業績のアップ、離職率の低下を目指しているようだ。

また、従業員の福利厚生のための社員旅行がマンネリ化しており、その代わりとして運動会やファミリーデーに注目する企業が目立つようになってきた。当社は社内イベントのプロデュース事業も手がけており、そのメニューに社内運動会の開催もあるが、需要が伸びている。リレーや玉入れ、綱引きといった日本式運動会だ。中国の学校での“運動会”は日本と異なり体力測定の要素が強く、最初に日本式運動会の“お祭り性”を説明して理解を得る必要があるが、もともと中国の人々は社内行事が大好きなので、実際に参加すると日本人以上に盛り上がってリピーターになりやすい。日本人社員も学生時代を思い出して楽しめる。社内運動会や楽SPOは老若男女問わず、体力やスポーツ技術に左右されず参加者全員で楽しめる大会をコンセプトとしており、それは今回の楽SPO FESTAでも貫いている」

 

 

3. 物質的充足から精神的充足へ

「インターナショナル 楽SPOフェスタ」は10月29日(ゴルフは10月22日)に開催され、60社以上の企業から2000人以上の参加者、さらに参加者の家族などサポーターも含めて4000人以上が集まる盛況となった。テニス、バドミントン、卓球、バスケットボール、フットサル、ボウリング、駅伝、謎解き(=頭脳のスポーツ)、綱引き、ゴルフ(雨天中止)の計9種類の競技がおこなわれ、1社で170人が参加した企業もあった。上海市体育局、在上海日本国総領事館、上海日本商工クラブ、中華環境保護基金会が後援し、日中友好の公益プロジェクトとしての役割も担った。創業7年の集大成だが、同社ではその先に、さらに壮大な目標を見据えている。

Whenever BizCHINA 2016年12月号, 上海ラクトコンサルティング, 上海, バスケットボール

男女混成チームも参加、同じ競技を愛好する人たちの交流が進んだ(バスケットボール)

 

──手ごたえは。

「感無量。国際的なスポーツ大会は創業以来の目標だった。今大会は4つのテーマを追求した。日中友好、スポーツ、お祭り、植林だ。植林というのは、今回いただいた参加費と協賛金の一部を中華環境保護基金を通じて、内陸部の植林に役立てていただくというもの。今大会の参加者は9割が中国人だったが、イベント参加を通じて自分の会社が中国ひいては地球の環境に貢献したという誇りにもつながればと考えている。参加者間の交流はもちろん、日中両国の大手メディアにも取材いただけたので、それぞれの国で報道されることで日中友好にも貢献できたのであれば幸いだ。

Whenever BizCHINA 2016年12月号, 上海ラクトコンサルティング, 上海, フットサル

参加者たちの真剣さからは、仲間とともに体を動かす楽しさが伝わってきた(フットサル)

今後は毎年の開催を目指すとともに、上海大会のスケールアップはもちろん、他の主要都市にも開催地を広げ、地区予選を経た全国大会を開けるようにしたい。今回は日系企業中心だったが、中国系企業はもとより、欧米系など非日系外資も広く巻き込んだ真の国際スポーツ・イベントに発展させ、ゆくゆくはアジア大会の開催も実現させたい。そして規模の面だけでなく、参加企業の各チームが、“楽SPOフェスタでの活躍を目指して練習するぞ”と目標にしてもらえるような深化を追求していく」

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こちらは頭脳のスポーツ、謎解き。怪盗紳士風のキャラと忍者集団から出された謎の答えを求め、スタジアム全域を探索する

──貴社の未来展望を。

「訪日中国人旅行者の関心が、日本製品の“爆買い”から1年そこそこで日本の自然や文化にシフトしたように、人間は物質的な充足から精神的な充足を求めるように変化していく生き物だと思う。物質的な満足感は一時的なものでしかないが、体験の思い出は一生の宝となるからだ。スポーツには、①オリンピックやサッカーのワールドカップなどのように、国境を越えて人を結び付ける力 ②参加者間の心の距離を近づける力 ③笑顔や感動を生み出す、人の心を動かす力──があり、精神的な充足を求め始めた中国の人々に、まさにこれから必要とされていくものだろう。また、今回の植林も契機に、中国では数少ない自然体験イベントも提供していきたい。私自身も4年前に子供を授かってから、“子供を自然に触れさせたい”との思いを強く抱くようになった。既に社内イベント・プロデュース事業ではファミリーデーとして、郊外でのバーベキューや親子レクリエーションなどを提供しているが、子供時代の感動は一生の宝にもなる。生涯の思い出となる体験を、世界に向けてプロデュースする企業を目指す」

 

楽SPOフェスタ──ここが7年の集大成

●開催種目の多様性

●競技経験者などが真剣勝負を楽しむ「本気リーグ」と、体力に自信のない人でも参加自体を楽しめる「エンジョイリーグ」を用意

●日中両国の行政機関の後援で、公益性を持つ国際友好事業に

●縁日的な屋台やゲーム、円谷プロダクション協力のウルトラマン・ショーやプロのジャズ歌手のショー、全参加者対象の大抽選会など、家族など応援参加者にも“体験”を提供

●参加費・協賛金の一部を植林に寄付することで、イベント終了後にも社会に価値を提供

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縁日をモデルにした応援参加者向けの「体験」も盛況。こちらは屋台村

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こちらは金魚すくい。他にも家族向けイベントの数々を用意し、好評を得た。ファミリーデーで培ったノウハウが発揮された

 

現場リポート

楽SPOフェスタ当日は懸念された雨にも降られず、冷たい風をはねのけて余りある熱気に会場全体が包まれた。練達の腕を競う本気リーグは迫力満点、一方のエンジョイリーグも参加者たちは真剣にスポーツに打ち込み、同じ競技を愛好するもの同士の交流が会場各所で進んだ。家族や同僚などの応援も白熱し、企業単位にとどまらず会場全体に一体感が生まれる盛り上がりを見せた。終始スポーツマンシップを貫くフェアプレイが繰り広げられたことも特筆に値するといえよう。

Whenever BizCHINA 2016年12月号, 上海ラクトコンサルティング, 上海, 綱引き, 運動会, スポーツイベント

社内運動会事業のノウハウを生かした「綱引き」。全チームが参加し、大会のフィナーレを盛り上げた

 

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