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業界インタビュー

可果美(杭州)食品 – 「純正番茄汁」の販売が好調 現地開発商品の一層の拡充へ

[ 2012-02-28 ]

カゴメの現地法人、可果美(杭州)食品の主力製品「純正番茄汁(カゴメトマトジュース)」の販売が好調だ。2011年も倍増の勢いで売り上げを伸長させた。今年は、美肌にスポットを当てた体験型キャンペーンの実施で売り上げの底上げを図る構えだ。「販売チャネルの多様化」「現地開発商品の充実」「超定番商品の創出」に挑み、中国でカゴメ野菜ジュースの定着を目指す同社董事長総経理の杉山喜久雄氏に、商品展開と販売チャネルの戦略、今年の目標を聞いた。

―2011年は、いくつかのアクシデントに見舞われた“試練の年”となった。

「3月の東日本大震災以降広まった風評被害の影響を、当社の野菜果物ジュースも少なからず受けた。それに続き5月、今度は一部の台湾製品で未認可可塑剤が食品・飲料に混入する事件が発生した。一部スーパーでこれら可塑剤が混入していないことを証明する証明書をメーカーに求めるなどの動きがあり、中国の飲料製品の消費全体に影を落とす結果となった。当社では迅速に動き、無添加を証明するなど、業界の中でも1、2を争うスピードで危機対応に動いたが、それでも影響を免れることはできなかった。こうした中、計画通りに売り上げを伸ばすことができず、ほぼ前年並みの業績で着地している」

―主力製品の「純正番茄汁(カゴメトマトジュース)」の販売が2011年も好調だった。

「『純正番茄汁』が当社の大黒柱に育ちつつある。全体の売り上げが対前年並みだったが、当商品の売り上げは2年連続で倍増の勢いだった。当社の“価値伝達”の活動などが奏功し、その圧倒的な商品力が消費者に受け入れられつつある。2年連続で、昨年夏も約50人の女性に毎日30日間『カゴメトマトジュース』を飲んで、その効果を実感いただき、ウェブ上でダイエットの状況を“実況中継”する『夜トマトダイエット』キャンペーンを実施したが、これが良い効果を発揮した」

―2010年に投入した戦略商品「可人蔬」の売り上げ状況は?

「野菜果物ジュース『可人蔬』シリーズは、低価格化を図り、従来品に比べて約3割安い。また、味の現地化にも取り組み、中国の消費者の嗜好に合わせ従来品より甘くし、飲みやすくしている。2010年の発売当初は、カニバリズム(共食い現象)により、従来品の売り上げが影響を受けることを覚悟していたが、従来品の売り上げは減らず、2010年通年の全体の売り上げが2ケタで伸長した。これは『可人蔬』が従来品の消費者とは違う、新たな顧客の取り込みに成功したことが要因だ。2011年、『可人蔬』の売り上げは前年並みだったが、非常に手応えを感じており、今年は思い切ってリニューアルを図り、完成度を高めていくつもりだ」

―今年は、“美肌”にスポットを当てたキャンペーンを実施する。

「日本のカゴメ本社でトマトの美肌効果が科学的に証明されたが、これをベースに『夜トマトダイエット』キャンペーンと同様の美肌体験型キャンペーンを手がける。ミスキャンパスなどと組んだ企画を温めているところだ」

―健康問題と、野菜ジュースの貢献を切り口とした活動にも積極的に取り組んでいる。

「中国では、肥満や糖尿病が国民的関心となっている。これら健康問題の解決に、カゴメの商品がどう貢献できるのかを当社社員の博士が上海や北京、杭州で講演している。こうした活動により、少しずつカゴメファンを増やしている。今年は全国の都市で実施していきたい」

―トマトとニンジンの現地調達化に成功している。

「2010年のトマトとニンジンの現地調達率は80%だったが、2011年には100%まで高めた。現在、内モンゴルや新疆の契約農家からトマトを、安徽省からニンジンを仕入れている。契約農家の農地は、汚染のない土地を新たに開墾したもので、そこでトマトとニンジンを育て、手で大事に収穫している。栽培から品質管理まで日本と同じ水準で行い、厳格な検査基準を設け、安心、安全を保障している」

―2012年1月より、ハイパーマートでの900mlのチルド商品の販売を中止した。

「チルド商品はカゴメの“価値”を最も伝えやすい商品として、設立当初の2006年より注力している。日本ではチルド商品に価値を見出し、指名買いされる消費者もいるが、中国ではそこまでファンが育っていない。こうした中、今回技術革新により常温商品とチルド商品が同じ品質で製造できるようになったため、その商品の性質から取り扱いエリア、販売チャネルが限られるチルド商品の900mlシリーズの販売を中止した。これに伴い、ハイパーマートでは常温商品を含め、900mlの商品の販売がなくなる。一部日系スーパーやネット通販などでは、常温の1000mlの商品を継続して販売していくので、引き続きご愛顧いただきたい。また、チルド商品は小型ボトルの商品をコンビニに特化し、販売していく」

―販売エリアが日系コンビニの広がりに伴い、内陸部の都市にまで拡大している。

「現在、内陸部の重慶、成都、長沙、桂林などを含め、約30都市で販売している。販売チャネル別でみると、コンビニが非常に好調だ。現在、日系コンビニが内陸部開拓をスタートさせているが、それに合わせて当社の商品の販売エリアも拡大している」

―今年は、3つの課題にチャレンジする。

「ひとつは販売チャネルの多様化だ。これまでは、ハイパーとコンビニに特化してきたが、中国の飲料の販売チャネルは非常に多岐に渡っている。例えば、病院の小売店やネット通販など、多様なチャネルを柔軟に開拓していきたい。ちなみに、当社商品のネット通販の割合は、すでにハイパーと肩を並べるまでに成長している。2つ目は商品開発。販売チャネルに合った商品を開発していきたい。中国では販売チャネルと消費者層の関係性が非常に深いため、今年はこれまで以上にセグメントを意識した商品開発に取り組む。最後が超定番商品を作ること。この3つの課題に取り組み、当社の野菜ジュースの中国でのプレゼンスを一層高めていきたい」


中国でも商品ラインナップが充実してきた。今年はこれまで以上にセグメントを意識した“中国商品”の開発に挑む



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