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自動車 ‐ インタビュー トヨタ自動車(中国)投資 上海分公司総経理 阪本 敦 氏


[ 2013-01-06 ]

「2000万台市場」に王手 巨大市場開拓に粛々と取り組む

日中関係の悪化で逆風にさらされる日系自動車メーカーだが、11月以降、販売台数の下げ幅が縮小し、回復の兆候がみられる。広州モーターショーでは、反攻の契機にしようと、各社が熱のこもったプロモーションを展開した。トヨタ自動車の現地法人、トヨタ自動車(中国)投資上海分公司総経理の阪本敦氏に、中国自動車市場の現状や今後の見通しを聞いた。

広州モーターショーを反攻の契機に

―トヨタ自動車は、2012中国広州国際汽車展覧会(広州モーターショー、11月22日から12月2日)で、江蘇省常熟市の研究開発センターで開発を進めるハイブリッド車のコンセプトモデルをはじめ、ハイブリッド、EV、PHV等の環境車8台などを出展した。

「広州は9月以降、風当たりが最も強い地域のひとつだったが、回復も比較的早い。日系ブランド3社が生産拠点を構え、日本車のシェアは約5割と高く、日系ブランドへの親近感が強い市場だ。

その広州で行われるモーターショーを反攻の転機にしようと、トヨタの得意分野であるハイブリット車を中心に、プロモーションに力が入った。また、広州モーターショーに合わせて、レクサスのハイブリット車2車種で『エコラン』を実施した。貴州省貴陽市から広東省雲浮市までと、浙江省杭州市から広東省韶関市までの2路線を走り、高い省エネ性能をアピールした」

―広州モーターショーで、13年に中国市場専用の2種類の新型車を発売すると明らかにした。

「トヨタは15年をメドに、世界のトヨタ全体の販売台数に占める中国での販売台数の割合を、15%まで引き上げることを目指しており、同年までに中国市場で20車種を投入する予定だ。その中で、13年後半に」汽トヨタからセダンタイプの、広汽トヨタからハッチバックタイプの中国市場専用小型車を発売する。また、15年までに」汽トヨタと広汽トヨタからそれぞれハイブリット車を販売する計画だ」

11月より下げ幅が縮小

―12年の中国自動車市場の販売台数は1900万台前後で着地しそうだ。

「12年1~11月は1749万台で、前年比4・0%増だった。通年では1900万台に届くことが予測される。来年もこの勢いを保つことが予想され、いよいよ前人未踏の2000万台の大台超えが現実のものとなってきた。

自動車の購入対象人口は増え続け、市場は今後も着実に大きくなっていく。沿岸部から内陸部市場まで、市場開拓の余地はまだまだ大きいと感じている」

―トヨタ自動車の11月の中国での新車販売台数は、前年同月比22・1%減となり、9月(同48・9%減)と10月(同44・1%減)から下げ幅が縮小した。販売店の店頭では好転の兆しがあるのか。

「9、10月は、販売の落ち込みだけでなく、販売店での『サービス入庫』も大きく落ち込んだ。」般的に国慶節休みの後は、販売店への事故車両の持ち込みが増える時期だが、今年は伸びなかった。運転を控える動きが広がったことが原因になったと考えている。

販売店では販売台数の落ち込み、セールスマンの離職問題に加えて、収益源のひとつである修理・サービスまで減少し、大変厳しい状況が続いているが、11月以降販売が少しずつではあるが回復傾向にある」

―販売店の支援のため、どのような取り組みを行っているのか。

「販売店の在庫の最適化を最重要視し、レクサスでは9、10月は配車を極力抑えた。販売店を守るための苦肉の策だった」

―こうした中で比較的販売が好調な店はどんな特徴があるのか。

「既存客にしっかりサービスが提供できていて、トヨタ車のファンを囲い込んでいる店が強い。こうした騒動の中でも、トヨタ車を指名買いされるお客様は少なくない。われわれはもう」度、こうしたユーザーの声に耳を澄まし、どこを評価いただいているのかをしっかり捉え直し、従来以上に強いブランド価値の創造を目指したい」

2000万台市場の誕生へ

―阪本さんは94年から中国事業に携わり、中国駐在歴は15年になる。10年から駐在する上海は、トヨタ自動車の誕生の礎となった地だ。トヨタグループの創業期、先人は上海で大変なご苦労をされている。いまの中国での苦労とシンクロするのではないか。

「実は、トヨタグループと上海は深い繋がりがある。1921年、トヨタグループの創業者である豊田佐吉翁は、日中の『国民外交』を理想に掲げ、上海に渡り、紡績工場を建設した。その後、病気で帰国を余儀なくされた佐吉翁に代わり、佐吉翁の片腕だった西川秋次が上海で紡績事業を発展させた。そして、佐吉翁の息子である喜一郎が自動車事業を起こす際、西川秋次は上海で稼いだ資金で全面的にバックアップした。

佐吉翁や西川秋次は、上海で大変ご苦労されたが、それを考えると、今回のような騒動があっても動揺することなく、粛々とやっていかなければならないと思う。先人たちに『こんなことでブレるな』と背中を押されている気持ちになる。また、佐吉翁や西川秋次が体現し、いまでもトヨタグループに受け継がれる『世のため、人のため』『ご恩に報いる』などの時代を超えた価値観について改めて考えさせられる」

―13年以降の中国自動車市場をどう見ているのか。またトヨタは同市場をどう開拓していくのか。

「中国経済は成長率が7%台となり、これまでの高度成長から安定成長に移行していくが、それでも母体の絶対数が多いため、ビジネスチャンスはまだまだ広がっていく。20年までに新たに中間層が8000万世帯増えると予測されている。

自動車市場は先ほども話したように、早晩、年間販売台数2000万台を実現する。今回の騒動で中国市場のリスクが顕在化したが、トヨタは従来の計画通り、この巨大市場の開拓に粛々と取り組んでいく。中国政府が普及に注力する、新エネ・省エネ車の展開を加速するとともに、これまでわれわれが苦手としてきた、ボリュームゾーンで売れるコストパフォーマンスを追求した車種も投入し、中国での存在感を高めていく覚悟だ」



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