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特集

中国ビジネスの基礎はこの人に聞け!


[ 2012-03-23 ]

「駐在員塾」で解く中国“方程式”

中国業務歴20年強の知見を伝授

キャストコンサルティング(上海)有限公司
総経理 前川晃廣氏

キャストコンサルティングは昨年来、「駐在員塾」と題する中国ビジネスの基礎セミナーを中国9都市で開催してきた。講師は、中国業務歴20年強の同社総経理、前川晃廣氏。中国ビジネスに関する知見を惜しみなく伝授する講義が、受講者の日本人駐在員から好評を得ている。前川氏に、セミナーの魅力と活用方法を聞いた。

――中国全土で開催している「駐在員塾」が好評です。中国で苦労されている日本人駐在員が多いことの表れではないでしょうか。

「中国在住の日本人駐在員は10万人を超えたと言われますが、多くの方が日本で充分な研修を受けないまま派遣されていると思われます。本社の国際部門や人事部門が中国の特異性を重視せず、『隣の国だから何とかなるだろう』という感覚で送り出していることが遠因になっており、多くの駐在員が苦労しています」

――日本には中国ビジネス関連書など、中国に関する情報は溢れていますが、そこから本当に役に立つ、有益な情報を選択するのは容易ではありません。

「中国は非常に奥深く、学んでも学んでもゴールに辿り着くことが難しいと思います。日本で中国ビジネス書が数多く出版されるのは良いことですが、ビジネスパーソンに与えられた時間は有限です。この限られた時間の中で最も効率的にゴールに近づくことが、中国で勝つための秘訣だと考えています」

――その役割を、前川さんが講師を務める「駐在員塾」が果たしている、と言えそうですね。どのような内容を学べば“ゴール”に近づけるのでしょうか。

「多くの駐在員は、すぐに役立つ税務や法務のセミナーに興味を示します。もちろん、企業所得税の税率が25%であることや、残業代が通常賃金の50%増しであることなどは、駐在員として当然知っておくべき知識です。しかし、『駐在員塾』の受講者には“小手先”の知識だけでなく、こうした制度が確立されるに至った新中国建国から現在までの過程と、ここ数年の中国の大きな変化やその原因を正確に把握した上で、向こう10年に起こる変化を予測する力まで身に付けていただきたいと考えています」

――「駐在員塾」の具体的な講義内容を教えてください。

「『駐在員塾』(基礎編)は1日8時間コースです。まず、中国の近現代史と日系企業進出の歴史を把握し、そこから生まれてきた法制度、会計制度、税制の変遷と、対応策を学びます。成功例だけでなく、失敗例も数多く紹介していきます。その上で、労務やマーケティングの基本的な考え方を習得し、近未来の中国に対するビジョンを持っていただき、『わが現法はどうするべきか』を考えてもらうプログラムに構成しています」

――法務や税務など、テクニカル面ではどのような内容を講義しているのでしょうか。

「法務においても、税務においても、マーケティングにおいても、中国の情勢は常に変化しています。その変化の波を、細かい事例を交えて伝えることに注力しています。受講者の皆さんは、中国に対する一定の見解をお持ちですが、『駐在員塾』では、いま一度専門家の目から見た各分野の視点を紹介し、新たな“気づき”を産み出すきっかけを提供したいです。もちろん、近時の細かい法改正やトレンドも紹介しますが、一方で中国を大きく俯瞰することも提案していきます」

――1日8時間のセミナーを前川さんひとりで担当しています。

「法務と労務、会計と税務、マーケティングと異文化コミュニケーション、これらはすべて繋がっています。それらの繋がりを理解することで、中国を解く“方程式”の一端が見えてくるのです。そのため、1日の講義をひとりの講師が完結させることで、セミナーの最後に各要素が有機的に繋がっていることを受講者の皆さんに体感していただく仕掛けにしてあります」

――昨年の講演日数は65日に達したそうですね。8時間立ちっぱなしの講義をこれだけこなすのは体力的に大変ではないですか。

「『駐在員塾』(基礎編)は発足当初、6時間×2日間の開催でした。しかし、忙しいビジネスパーソンの貴重な時間を拘束することは受講者への負担となると考え、講師が少し無理をしてでも1日8時間に圧縮すべきと、このスタイルになりました」

――こうなると、講師業が前川さんの本業のように思われますが、本業はあくまでM&Aにおける企業価値交渉や、合弁企業の設立・解消における中国側との駆け引きなどのサポートですね。

「そうです。本業も大事にしたいですが、日系企業に自分の力をいかに役立ててもらえるかを考えた場合、セミナーも非常に有効な場です。今後も全力で取り組んでいきたいです」

――基礎編の卒業生からは「中級編」「上級編」を期待する声もあるようですが。

「中級編としては、テーマごとのセミナーを企画しています。近時では『中国現地法人の撤退実務』や『なぜ起こる? 広東・労働争議』を開催しました。今後は、営業税の増値税化の動きや外国人の社会保険加入問題など、その時々のトピックを取り上げていきます。上級編も検討していますが、個々のクライアント毎の多様なニーズに対応するには、セミナー形式では難しいとも感じています。こうした多様なニーズには、セミナー形式にこだわらず、キャストグループとしての総合力を活用し、日系企業の皆さんが遭遇するあらゆるレベルのさまざまな問題に、可能な限り迅速、的確に対応していきます」

――最近のもっともホットな話題である外国人の社会保険加入問題をどう捉えていますか。

「中国が制度を変更すると、すべてが改悪のように過剰反応する人もいますが、日本で働く中国人は日本の社会保険に加入しているのですから、今回の件は特別なことではないと言えます。いたずらに危機感を煽るコンサルタントもいますが、負担増の最大値は日本人1人、年間約80万円で、この金額が日中両国の社会保障協定が締結されるまでの約2年間の負担上限である、という点を冷静に捉えていただきたいです」

――昨年の東日本大震災後、日系企業の中国進出が再加速しています。こうした進出企業に共通する課題をどう見ていますか。

「円高、デフレ、不況、そして震災と、日本企業はかつてないほど大きな複合的困難に包囲されており、かなりの切迫感を持って中国に進出する企業が増えています。これら“あぶり出される”ように中国にやってきた企業に共通するのが、『中国を知らない』ということです。中国は時差がわずか1時間の距離で、顔も文化も表面的には似ているため、同じだと錯覚しがちですが、本当は違います。違いを認識し、しっかりした対応策を構築することが中国ビジネスの基本になるのです」

――「駐在員塾」の開催の先に目指すものは何でしょうか。

「ズバリ“日本復活”をサポートすることです。さまざまな専門家、公的機関と連携し、中国に活路を見出そうとする日本企業のビジネスのお手伝いを続けていきます」

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「駐在員塾」(基礎編)
4月17日上海、5月21日蘇州で開催
詳細はhttp://www.cast-china.biz

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